＊朱美の日常＊　卒業〜前編〜を解かなくても解けるので気軽にどうぞ
なお、問題だけ楽しみたい方は＊＊＊＊内を読み飛ばして下さい。

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そして、月日は流れ――ついに卒業式は明日に迫っていた。
わたしと美穂は空き教室の一角で、並んで体育座りをして、壁に寄りかかっていた。
「あっという間だったなあ、学校祭に体育大会、それに修学旅行。まるで昨日のことみたい」
わたしは頷いて同意する。
「そうね。本当に、短かったわ」
「朱美はやっぱあそこの大学行くの？」
「ええ、そのつもりよ」
「そっかあ」
美穂は目をふせて、口をつぐんだ。先日からどうもセンチメンタルになっているようだ。
「もう、そんな顔しないでよ。死ぬわけじゃないんだし、いつでも会えるじゃない」
「そうだけど・・・」
美穂は次第に涙ぐんで、鼻をすすり始めた。
「だいじょうぶ？」
「・・・あんまり、大丈夫じゃない」
と美穂が答えたとき、現れたのは神谷先生だった。
「おや、まだいたのかい？」
美穂は泣き顔を見られたくないようで、慌てて顔をふせた。
「何か用ですか？」
神谷先生は破顔して、わたしの問いに答えた。
「いや、やっと君たちの残した謎が解けたものでね。明日伝えようと思ってたんだけど、今日でいいかな」
「？　解けたって？」
美穂は驚いて顔を上げる。ほおにはまだ涙が残っているが、失念しているようだ。
「いや、言葉の通りだよ。君たちが休んだ日が示す謎が解けたんだ。日野くんのにはだいぶ難儀したなあ。解けたと思ったら、その文章がどういう意味なのか分からなかったんだから。」
「じゃあ、先生はわかったんですか？」
緊張しつつも、尋ねる。それに対し、神谷先生はまるで緊張感のない飄々とした口調だった。
「ああ。毎年恒例行事で、海の日は家族と海に行って、敬老の日は両親と食事をしてたんだがね、去年はそれを取りやめ、家にこもって考えたんだ。その苦労が報われてよかったよ」
「ただ単に行きたくなかったんじゃないですか？」
そんな美穂の突っ込みに「手厳しいな」と、神谷先生は苦笑いした。
それから少々もったいぶった後に、言った。
「答えは『□□□□だった』だろ？」
「――っ」
わたしは息を呑んだ。美穂も目を見開いている。まさか、本当に当てられてしまうとは。
「それが事実なら、日野くん、君は泣くべきではないんじゃないかい？　最後まで笑って、友に別れを告げるべきじゃないのかな？」
神谷先生に言われて、美穂はゴシゴシとほおに残った涙をぬぐった。
「泣いてなんかいません。わたしは今も、朱美といるのが□□□□ですから」
すると、神谷先生は「そうかいそうかい」と豪快に笑って、
「それじゃ、二人とも元気でね」
と言い残し、教室から去って行った。

翌日。春らしい陽気に包まれ、鮮やかな桜の舞い散る中、私と美穂は笑顔で「またね」と言い合った。
「□□□□だった、なんて過去形で言うべきじゃなかったわね」
と、美穂はおどけた調子で言った。昨日泣いていたのがうそみたいだ。
「そうね。今も昔もこれからも、よ」
わたしたちの笑い声は、からっと晴れた空に吸い込まれていった。
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朱美と美穂の休んだ（その予定だった）日付

　　　　　　　　朱美　　　　　　　　　　美穂

２０１２年４月　５日　　　　　　　　　　２４日

５月　　　　　　３日　　　　　　　　　　１８日

６月　　　　　　４日　　　　　　　　　　４日

７月　　　　　　４日　　　　　　　　　　２６日

８月　　　　　　６日　　　　　　　　　　３日

９月　　　　　　９日　　　　　　　　　　１９日

１０月　　　　　７日　　　　　　　　　　８日

１１月　　　　　８日　　　　　　　　　　１５日

１２月　　　　　８日　　　　　　　　　　３１日

２０１３年１月　７日　　　　　　　　　　９日

２月　　　　　　８日　　　　　　　　　　１３日

３月　　　　　　５日　　　　　　　　　　４日



さて、問題です
朱美は自分の休んだ日付によって、英語＝アルファベットというメッセージを残しました（卒業〜前編〜参照）。
では、日野が休んだ日から読み取れる彼女達が残したメッセージを推理して下さい。

勝手に君は
○　○○○　『○○○○○○○○』

○○○○○○○○＝□□□□なので、

『□□□□』だった
『』内の語を入れると反応します。（○は大文字、□はひらがな）


しかし、これだけで解くのは困難だと思われるので、いくつかヒントを出しておきます
�@日野の休んだ日の謎を解くには、カレンダーを必ず使います
�A日野が２０１２年４月２３日、５月３０日、６月１２日に休んでいたら、表すのは『犬』になります。
�B高校生は土日が休日です。絶対に休めないので、無視して下さい。
�C朱美の休んだ日付のヒント：英語、つまりはアルファベット

訂正：勝手に君が反応するワードについて訂正しました