白黒コンビ　の小話　第二弾
長文になりました・・・ご注意を・・・・
色付きのところからが問題です。全３問。

ある平日の麗らかな昼下がり、特に何もすることがない２人は近くの喫茶店で時間をつぶすことにした。
白荏「ねーねー黒咲ー。暇だからさー、遊園地にでも行こうぜー」
黒咲「・・・・・断る」
何が楽しくて男二人で遊園地なぞ行かねばならんのか・・・
しかも、こっちはガチガチのスーツ姿だ。奇異な目で見られるに決まってる。それに――
黒咲は深くため息をつくと、店員が持ってきた水でのどを潤した。
―昨日愛用のパソコンがついに壊れ壊され、その後の演算はすべて手計算でやる羽目になった・・・
どれだけ電卓とにらめっこしたと思っているのか・・・

そうして、やっと手に入れた休日にまで金持ちのぼんぼんの道楽に付き合うのは真っ平ごめんだった。
こんな厄介な人間との付き合いは、仕事だけにしておきたい・・・

そんな思いなど露知らず、白荏は一向に引き下がらない。全く以って厄介だ・・・
黒「代わりにクイズを出してやるから、それで時間つぶしてろ」
昨日電卓と格闘した際に思いついた問題だ。これで少しは大人しくなるだろう。

�@裏の裏☆☆（裏で☆一つ）
ある事務所で、尾根崎市根（おねざき　いちね）という女性が殺された。
被害者の近くにﾀﾞｲｲﾝｸﾞﾒｯｾｰｼﾞが残されていたため、犯人逮捕に至った。
ﾀﾞｲｲﾝｸﾞﾒｯｾｰｼﾞは、机においてあった電卓の液晶に残されていた――
よほど必死だったのだろう。左手にしっかりと握られた電卓は遺体から引き剥がすのに苦労した。肝心のﾒｯｾｰｼﾞは――
『８０』
なお、電卓は新品同様で、指紋は綺麗に拭き取られていた。

さて、次のうちの誰だれか。犯人の可能性が高いものをあげてほしい。
ひぐち　よしたか　（事務所の同僚１）
やお　　かずひろ　（事務所の同僚２）
よしおみ　いさみつ（事務所の同僚３）


�A語学☆☆（調べないと分らないかもなので☆２）
とあるスーパーでの話。
スーパーの店員である二色双葉（にしき　ふたば）２５歳が、BRで倒れているのを発見された。
被害者の手元には血でﾀﾞｲｲﾝｸﾞﾒｯｾｰｼﾞが残されていたため、すぐに犯人を逮捕することができた。

逮捕された犯人が言うには、双葉はフランス留学のため店からたびたび金を盗んでおり、借りた金も返さないどうしようもない人間だった。
それに耐えかねてというのが殺害の動機らしい。

ﾀﾞｲｲﾝｸﾞﾒｯｾｰｼﾞは　『３１１３８』
さて、犯人はこの中の誰だったのだろうか。
店員A　　特徴：無口
店員B　　特徴：美人
店員C　　特徴：不良

白荏「・・・俺を誰だと思ってんのさー。簡単簡単♪�Aはなんか無理やりっぽいけど」
黒咲「まぁ・・・時間つぶしにはなったろ」
嬉しそうにクイズを解く白荏は、まるで子供だ。
電卓系は苦手だと言っていたが、満更でもないらしい。
白荏「うーん。でも、まだ午前中なんだよな・・あ。じゃあ、俺が出す問題に黒が答えられなかったら、遊園地行こうぜ！」

�B語られなかった真実（ﾓﾉ）☆☆（想像力が試される）
士亜土参時（しあど　さんとき）５２歳が自宅で殺されていた。
殺害時に争ったのか、部屋はめちゃくちゃになっており、ものが散乱していた。
殺された被害者の手元には電卓があり、ﾀﾞｲｲﾝｸﾞﾒｯｾｰｼﾞが残されていた。
『４４１』
犯人は被害者の身内でホテルに泊まっていた誰かだと思われる。次のうち誰だろう？

士亜土　治五郎　（じごろう）　４９１号室
士亜土　七夜　　（ななや）　　３９１号室
士亜土　葯十　　（やくと）　　２９１号室

黒「・・・（さらり）」
白「うーん。正解・・。黒・・もうちょっと愛嬌があってもいいと思うんだけどなー。かわいくないぞ」
（・・・・余計なお世話だ）口には出せないので、黒咲は内心毒づいた。

黒「さて、俺はちょっと電化店に行ってくる・・新しいパソコンを買ってこないとな」
白「えー。じゃあ俺は、あいつに手紙でも書いてることにするよ・・・宣戦布告も兼ねて・・ね」
そういって白荏は微笑んだ。それは、黒咲がはっとするほど、まるで少年に似つかわしくない酷薄な笑みだった。