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殺意の同窓会
難易度:★★★
くろねこ 2009/01/05 13:50 「なつかしいなぁ」
「もう10年たつんだな・・・」 僕は、ぼろぼろになった校舎の中を感慨深く見つめていた。 通っていたのは、両親の用事でこの山奥に来ていた中3の一年間。 ひと時だったが、廃校になると聞くとやはり物寂しいものだ。 今日は、そのときの学友4人(ABCD)と無人になった学校で、ささやかな同窓会を開くと聞き、駆けつけてきたのだった。 友人のAとBは地元で職を見つけたが、CとDは都会にでて、毎日会社勤めで忙しいらしい。 僕も東京で仕事したその足でここに向かいその日の深夜に到着した。 夜も遅いと言うことで、友人のAの家に一晩お世話になり、そのまま学校まで一緒にやってきた。 「わぁ、ここ、3年のときの教室だぜ?懐かしいな・・・」 めぐりめぐって最後は思い出の教室。古くなった木材とほこりのにおいが鼻についた。 Aは昔座っていた窓側の席に腰を下ろした。 みなそれに習い、かつての自分たちが座っていた場所に着席する。 「あ、そうだ」 Aはみなが見ている前で、2つの紙コップを取り出した。 中に、なみなみと水を注ぐ。 大仰に目の前に見せるは、小さな袋に入った白い粉末。 「突然だけど、今から俺がマジック見せてやるよ」ソレを手に、Aは言う。 「Eは昨日俺が用意するとこ見てただろ。これ・・・なめてみろよ・・・」 にやりと笑ってAは僕に袋を渡す。 E「ほいよ・・・・・・・ぶっ・・・・辛い・・・・」 昨日Aが自宅で用意していた白い粉は細かくすりつぶした岩塩だった。 ものすごく塩辛い。 A「ほれ、水。こっちも普通の水だろ?」 水を口にすると、口の中がさっぱりした。確かにただの水だ。 こくこくと僕は首を縦に振る。 A「じゃあ、そうだな・・C、お前このどっちかのコップにこの塩を入れてくれ。俺はその間この教卓の中に隠れているから」 そういってAは教卓へと向かう。 教卓の下は空いているけれど、そこはがっちり机やらはがれた木の板やらでガードした。完全に見えない。 C君は、のそりと席を立ち、僕から粉小袋とかき混ぜるためのマドラーを受け取ると、僕たちから見て奥のコップに塩をたっぷりと入れ、マドラーでかき混ぜた。 まあ、溶解度を超えないようにしてるから、きれいに溶けてるとは思うけど。 でも、とてもじゃないけど、飲めたものじゃないな・・・ 「ほい。入れたぞ」 Cが言うとAは教卓から顔を出し、Bに向かって一言言うと、再び姿を隠した。 「じゃあ、Bはソレをシャッフルしてくれ」 こくんとうなずいたBはコップの前に立つと、軽く息をついた。 次の瞬間、目にも留まらぬ速さでコップが入れ替わる。 おぉおおおお!B・・・本気だな・・ 水がこぼれないのが不思議だが、そこは気を使っているみたいだ。 でも、端的にいって、早い。見ていた僕たちでさえどっちに入っているか分らなくなった。 最後にBは、ゆっくりと左右入れ替えて手を離す。 B「シャッフルしたぞ」 その声と共にAが教卓から姿をあらわした。 A「そうか・・・じゃあD。お前どっちか選んでくれ」 D「お、おれ!?うはー、だってこれお前がマジックって言ってきてんだから、俺が飲むの確定じゃねーの?」 笑いながらDが言う。でもそういいつつ目が真剣だ。 D・・・ご愁傷さま・・・ Dが弛んだおなかを揺らしコップのところまで来る。 じっとコップを見据えて僕から見て手前側のコップを手に取った。 D「確かに・・・どっちも同じコップだな・・目印とかないし」 Dは手に取ったコップと机に置かれたコップをちらちらと見比べる。 確かに見かけに違いがあるとは思えない。 A「それでいいのか・・?」 D「おう、これにする!どっちかわかんないのはお前も同じはず・・・だ!!」 Dは半信半疑というか、挑むような目でAを見ている。 もっと両方のコップを近くで見比べてもいい気がするけどな・・ まあ、においがあるわけじゃあるまいし、見た目も変わらないから迷うこともないか・・・ A「じゃあ、そっちのは俺が飲むから、E、ここまでもってきてくれないか?」 そういって、AはDが選ばなかった、机に置きっぱなしのコップを指差した。 E「ほいほい」 僕は言われるままにコップを教卓まで運ぶ。 A「俺はここまでほとんどコップに触れなかった。粉を入れたのも、シャッフルしたのも、コップを選んだのも、全部お前たちだ。これで俺が塩水選ばなかったら、結構不思議だろ?・・まあ、運で選んでも、確率としては2分の1なんだけどな」 中学のときのまま、変わらない悪戯好きのあの顔で、Aは笑った。 D「じゃあ、これ失敗したら、何かおごってもらおうかな〜」 Dが意を決したように、コップに口をつけ、半分まで一気に飲んだ。 D「う・・・・うん?・・・・うわ・・・・あ、あまっ!!ぶえ・・・」 B「・・・・・?」 A「え・・・?甘い?そんなはずは・・・」 Aがそういって手元にあるコップの水を飲んだ。 C「まじかよ・・・・」 Dに駆け寄ってC君がコップの水に口をつける。 C「あまっ!なんだよ・・これもマジックの一環か?・・・A・・?」 みながAを見ると、Aは苦しそうにうめきながら、教卓に突っ伏した。 そのまま動かなくなる。 BCDE「・・・どういう・・・ことだ・・??」 一体誰がAに薬を盛ったのでしょう。 その人物をお答えください。 毒が溶け残るのでは・・毒を入れる不審な動きがあるのでは・・・ と言った部分はご容赦ください。今回は、毒は綺麗に溶け、また誰にも気づかれなかったということです。 甘くなった水のほうについても解答お待ちしております。 補足として @Aは確かにそのコップの水に入った毒で倒れた。 A用意した水はAが持ってきたものだが、そこに毒物は発見されなかった。ただの水。 BDが飲んだ水にも毒は入っていなかった。 C解毒剤の類は一切ない。 DAだけに効果のあるもの(アレルギーなど)用いたものではない。 E無差別ではない。 F学校というシチュエーションはあまり関係ない。 G自殺ではありません HEがコップを運ぶ際に関しては、怪しい動作は一切なかったと他の友人が証言している。 <追加> IDは、手に取らなかったほうのコップには触れていない。 毒を入れるチャンスがあったかどうかは微妙なところ。 別問題 水が甘くなった原因、こちらを別解とさせていただきます。 要約 A 被害者:紙コップに触れたのは最初と飲むときだけ B シャッフル担当:ものすごくシャッフル C 粉いれ担当 :僕らからみて奥側の紙コップに入れた D 水飲む担当 :適当に選んで飲んだ。甘かった。 E 粉の味見・コップ運び担当 :・・・確かに、塩だったよ(昨日は) ぱっと見は普通の水だから、わかんないよ。なにが解けてるかなんて。
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