これはある動物・物の視点で書かれた物語です・・・

最近自分の存在に疑問を感じるようになってきた・・・
自分は何のために生まれてきたのだろう？
19世紀に僕は世界を結んだが、今はもう忘れられる存在にある。
―――ガタン・ゴトン・・・ガタン・ゴトン・・・―――
僕の身体は地味な色・・・特に目立たない・・・
僕の仲間は世界中にいる。アジア、ヨーロッパ、アメリカ等々・・・
人々は僕の身体をつついて、話しかけ、そして去ってゆく・・・
そんなことは昔、日常茶飯事だったが今はもう珍しい。
なんでこんな事になったかって？簡単なことさ。ライバルが現れたんだ。
あいつは僕と大して変わらないくせに、僕よりもはるかに親しまれている。
昔とは立場が真逆になってしまった。時代の流れはほんとうに恐ろしい。
―――ガタン・ゴトン・・・ガタン・ゴトン・・・―――
今日も変わらず、電車の音を聞く。

さて、こんな惨めな僕はダレでしょう？正確には、何でしょうか？