Z県I市。
I市のある住宅で、殺人事件が起きた。
新米刑事の俺は、いつも通り三田村警部補と現場に急行する。

現場となったのは、I市の中心部にある住宅街。
その家は‥「斜めの家」と呼ばれているらしい。
何故なら、殺された家主は「斜めの会」の会長だった。

三田村「どう思う？舞草。」
舞草「‥俺に聞かれても困りますね。」

現場となった斜めの山村邸の書斎で、俺と三田村警部補は棒立ちしていた。
部屋の中は捜査員で溢れかえり、隅の方にしか立っているスペースは無かった。

三田村「殺されたのは、山村 本谷（ヤマムラ モトヤ）‥「斜めの会」の会長だ。」
「年齢は60。死因は腹部を刺された事による失血死‥。」
舞草「ありふれた事件ですね。ありふれても困りますけど‥。」
「‥ところで、「斜めの会」って何なんですか？」
三田村「さぁな‥。会員は被害者を含めて5人らしい。」
「そして、その残りの4人が被疑者だ。」被害者は、定例会の後に殺されたらしい。」
舞草「定例会‥何をする会なんですか？」
三田村「本来は《世の中を斜に構えた見方をする会》らしい。被害者が昔言っていたそうだ。」
「‥実質的には、ただの談話会だな。他愛も無いお喋りをするらしい。」
舞草「その中の一言が犯人を殺人へと向かわせたんですかね‥。」
「どんな事を話してたんですか？」
三田村「それが、誰も詳しくは覚えていないらしい。」
「会員は全員高齢だからな。仕方ないだろう。最低でも51歳‥。それに、年功序列らしい。」
舞草「‥他に、何か変わった事はないんですか？」
三田村「ああ、そうだ。忘れる所だった。ダイイングメッセージがあるんだよ。」
「‥斜めの線が1本だけな‥。」
舞草「‥また、斜めですか‥。」

三田村警部補が、写真を見せてくれた。

＼

左に傾いた線が、1本だけ‥。
左上から右下に向かって線が引かれている。


（サイズの都合で小さめになっているが、）
（実際はもっと大きい。）

三田村「こんな感じだ。被疑者のリストは次な。」

三田村警部がページを捲る。

山本広孝（ヤマモト ヒロタカ）60裁
谷広史孝（タニヒロ フミタカ）51蔵
村本谷広（ムラモト タニヒロ）58威
本谷広史（モトヤ コウジ）52庭

‥恐らく、数字の後の漢字は【歳】のつもりなんだろう。

舞草「警部補。【歳】って言う字が1つも合ってませんけど‥。」
「最終的に迷い過ぎて【庭】になってるじゃないですか‥。」
三田村「気にするな。‥ところで、何か閃いた事は？」
舞草「‥‥‥‥。」

何なんだ‥？この斜めは‥。

1度、今日聞いた情報を頭の中で整える。

被害者‥被疑者‥現場‥ダイイングメッセージ‥。
どこかに‥ヒントがあるはずだ‥。

その瞬間、俺の頭に一筋の光が走った。

舞草「あっ！」
三田村「ど、どうした！？」
舞草「‥わかりました！」
「三田村警部補！あの人を尋問して下さい！」


さて、山村 本谷を刺殺した犯人は誰なんだろうか？



奇跡の軌跡窃盗事件
http://quiz-tairiku.com/q.cgi?mode=view&no=6897
は‥しばらく放置します（泣）