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同人漫画家誘拐事件
難易度:
水時計 2005/01/28 21:26 ちょっと長いんですけど、しばしお付き合いいただけると幸いです。
片山警部はある誘拐事件にあたっていた。被害者は女子高校生の三田春江。しかし、何の手がかりもないまま1週間が過ぎようとしていた。 「警部」 部下の1人がポストにあった手紙を春江の母親に差し出した。ダイレクトメールの束に混じって、真白な封筒があった。 「これは…」 差出人は「三田春江」になっていた。妹の夏美と秋子も見守る中、母親は吸い寄せられるようにその封筒を開封した。中には、冒頭に大きく「遺書」と書かれた便箋が入っていた。 「落ち着いてください。これは誘拐犯の常套手段です。ここで慌てたら、相手の思うつぼです。」 片山警部はパニックになりそうな家族を、何とか落ち着かせることに成功した。そのとき、遺書の中身を読んでいた夏美が「あれ?」と声を上げた。 「これ、何か変なんです。」 夏美が指差す文章を見ると、遺書めいた文章に混じってこんな文章があった。 ----------------------- あと、つまらないことだけど、この世に心残りがあるとすればそれは描きかけの漫画のこと。もし私に万が一のことがあったら、秋子が仕上げてくれる?心配しなくても大丈夫。あともう少しで仕上がるところまでできてるから。私の指示通りにやれば、きっとうまく行くわ。 1ページ目の奏良(そら)の袖に2番のスクリーントーンを貼ってね。 17ページ目の百々(もも)のズボンは、1号のヤスリでケズリをかけて。 7ページ目の由美(ゆみ)のイヤリングは、印刷するとき「1号で写植して」ってお願いするのよ。 20ページ目の杏(あんず)の指輪は、C6の原稿用紙全体を使って表現してね。 9ページ目の心(こころ)の髪には、2番のインクでベタ塗りをして。 12ページ目は、全体的に背景は白で行くから、何もしなくていいよ。 4ページ目の由紀(ゆき)の瞳は、緑の3号のコピックで着色してね。 28ページ目の祭(まつり)の靴には、4cm分のタチキリをしてね。 24ページ目の兎(うさぎ)のかばんは、1mmのカケアミをお願い。 あと、タイトルも『大和撫子』から『ジャパニーズウーマン』に変えて欲しいんだけど。 いろいろやり方があるから戸惑うかもしれないけど、なんとか適当に合わせておいて。それと、印刷に出す時には、ちゃんとページを順番通りに並べておくのよ。でないと、印刷業者が困るから。 ----------------------- 「これのどこがおかしいの?」 「だって、私はお姉ちゃんと一緒に趣味で漫画描いてるけど、秋子は全然やったことないのよ。」 確かに、経験者の夏美にではなく未経験者の秋子に仕上げを頼むのは不自然だ。 「それに、指示もめちゃくちゃだわ。『2番』なんてスクリーントーンはないし、ケズリは普通カッターナイフでかけるのよ。他の指示も意味不明だし。」 私は漫画を描いたこと無いから分からないが、そうらしい。 「これは暗号かも知れないなあ。しかも、わざわざ秋子ちゃんを指名したと言うのも何か意味がありそうだ。たとえば、秋子ちゃんしか知らない何かが鍵になっていて、秋子ちゃんしかこの暗号を解けないとか。」 そう言うと秋子の方を見据えた。 「で、秋子ちゃんの意見は?」 場の視線が秋子に集中する。 「うーん、………あっ!」 「何?何?暗号が解けたの!?」 夏美が真っ先に反応した。 「い、いやまだ…。」 身を乗り出してきた夏美に怯えるように、後ろに下がりながらそう答えた。 「もう、まぎらわしいんだから!」 夏美は元のように座り直した。 「でも、『奏良』なんてキャラクターいたっけ?」 「知らない。お姉ちゃんのオリキャラ(オリジナルキャラクター)じゃないの?」 唐突で的外れな質問に夏美は憮然とそう答えた。 「そうなのかなあ。春江姉ちゃんは『名前を考える根気もセンスもない』とか言って辞書から取ってきた単語をそのままキャラクターの名前にするんだよ。この間私が『名前を考えてあげる』って言ったら『これがこだわりだから』って言って断られちゃったんだよ。」 「えっ、そうなの?全然知らなかった。」 それを聞いた片山警部は手を打った。 「なるほど、確かにこの暗号を解読するのは、漫画づくりにあまり縁が無くて命名の秘密を知っている秋子ちゃんが適任だな。おそらく、ここに登場するキャラクターはみんな彼女のオリジナルだよ。」 果たして、暗号の意味とは? #やっぱり暗号問題を出題するのはドキドキしますね。間違いが無いか心配ですし、誰も解けない問題ではつまらないですし。皆さんが楽しんでくださることを祈りつつ…。 解答は返信中にあるかも。答えがわかったり、誰かに解いて欲しいときは右上のから教えてね。
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