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ヒント知らないよ
このクイズの参加者(12人)
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難易度:★★★★
![]() ![]() 山田と名乗る謎の男は
僕たちの持ち物をすべて取り上げた。 その山田の先導で僕たち少年探偵団10人は 卍教団本部の廊下を進む。 やがて八角形の大広間に出た。 赤い絨毯。固い大理石の壁。緑色の高い木の天井。 天井にはシンプルな照明が明るく輝いている。 そして中央には派手な衣装を着たマネキンの像。 像の前に火鉢みたいのが置かれて火が燃えている。 それ以外には何もない。窓もない。 絨毯をドスドス足で踏みしめ壁をゴンゴン叩いてみた。 普通の絨毯、普通の床。 普通の大理石、普通の壁。 大理石の厚い壁は中が空洞だったりしない。 機械とかからくりとかは仕込まれていない。 大理石の表面を触ったが固くて滑らかで異常な点はない。 ガラガラガラガラガラ。 金属製の網が上から降りてきて 僕たちが入ってきた唯一の出入り口をふさぐ。 「ではこれより読心術を披露する。 さあ1人ずつ受けとりなさい。」 山田が僕達に渡したのはボールペンと小さめの紙。 ボールペンは軸が透明のありふれた安物だ。 分解してみたが何の仕掛けもない。 「その紙に四角い枠がありますね。 誰にも見えないようにその中に漢字を1つ書きなさい。 書いたらすぐ小さく折りたたんで 手でしっかり握りなさい。」 言われたとおり山田には背をむけて漢字を書く。 僕はその時偶然頭に浮かんだ『簸』を書いた。 監視カメラなどは無いようだが どこかに隠しカメラがある事も考えて どの角度からも見られないように左手で隠しながら漢字を書き すぐに小さく小さく折りたたんだ。 マキとチョロが書きながらクスクス笑っている。 あいつら何かやるつもりだな。 あっ山田が2人の背中を睨んでいる。 僕たち10人はほぼ同時に書き終えた。 「みなさんボールペンは返してください。 折りたたんだ紙はしっかり握っていますね。 では同時に聖火に投げ込みます。いっせーの、はい。」 投げ込まれた10枚の紙は折りたたまれたまま火鉢の焼き網の上にのり 僕たちの目の前で火につつまれ燃えていく。 僕は自分の投げた紙片をしっかり目で追っていた。 折り目が広がることもなくほとんど灰も残さず燃え尽きるのを確認した。 すると突然マネキンの目がピカッと光り、その体がぐらぐらと揺れだす。 「いかん。教祖様がお怒りだ。みんな逃げてください。」 山田が手に持ったリモコンを操作すると入り口の網が上がる。 僕たちは大広間から走って逃げ出した。 玄関のロビーで呆然と座り込む僕たち。 しばらくすると山田が戻ってきた。 「私は漢字を書けといったのです。 それなのに絵を描いたのが1名。 英語を書いたのが1名。 教祖様がお怒りになったのは当然です。 さあこれを見て悔い改めなさい。」 山田は10枚の紙を床にまいた。 その1枚に書かれた『簸』の文字を見て僕は驚いた。 的中した。信じられない。 だって僕の書いた『簸』は僕の目の前で燃え尽きた。 それは絶対に間違いない。 まかれた他の紙にはアンパンマンの絵とstrowbery。 マキ「私はアンパンマンを描いたの。」 チョロ「俺は英語でストロベリーって書いたぜ。」 チョロにストロベリーの綴りを言わせた。strowbery。 すごい、正確に間違えている。 紙に書かれた内容は10人全員分完全に一致していた。 僕たち10人の中に山田や卍教団に協力してる人間はいない。 僕たちは誰からもどんな文字を書くか指示されていなかった。 暗示や洗脳や催眠術などもなかった。 全員その場で気まぐれに思いついたものを書いた。 書いた紙は誰にも見せず誰にも教えずそのまま燃やした。 何を書いたか仲間同士でも見せたり教えたりしなかった。 マキが絵を描きチョロが英語を書くことは誰にも予想できなかった。 本人たちにとっても突発的な思いつきだった。 間違いない。これは本物の超常現象だ。 実は科学に強いサトシがボールペンを返さず持ち帰った。 そしてサトシはボールペンを徹底的に分析したが インクの成分を含め何も不審な点はなかった。 この読心術のトリックとは? 推理内容は囁きでお願いします
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