※この問題の作成にあたり、たいふさん出題の『たいふの事件簿　『微かな手がかり』』を参考にさせてもらっています。たいふさんすみません。

「ここが現場か・・・」俺は部下に問い掛けるように言った。
「はい。発見当時のままです。死体はありませんが。」と部下が言う。
「どういう事件なのか説明してくれ。」
「わかりました。本日午前１１時３０分にここ『津伊ハイツ』２０２号室で首をつっている女性の死体が発見されました。名前は作羅波楽沙（さくらはらくさ）。２７歳のＯＬです。鑑識はまだですが死因はそれが原因だと思われます。第一発見者はここのアパートの管理人。悲鳴が聞こえたので来てみたら・・・ということです。遺書が残されており、現場に乱れはあまりなかったので自殺と思われます。」
なるほどねぇ、と部下に言おうとしたらもう隣りに部下はいなかった。どっかによばれていったのだろう。俺はやることもないので勝手に現場検証をすることにした。

まず彼女が死んでいたというリビングを見渡してみた。
右手にかわいらしい緑色を基調としたベッドと俺の身長より一回り大きいぐらいの本棚。そして上にはエアコンがあり、暖房として起動している。地震のとき危ないな・・・と思いつつ部屋の中央付近を見る。そこには電源が入ってないコタツとその机の上にみかんと新聞そして周りには座布団。これだけなら日本古来の冬の光景だが、残念なことにそこに遺書と書かれた、パソコンでプリントされた封筒がおいてある。そしてその上の照明に首をぶら下げていたらしい。真正面には窓があり全開になっている。そして最後に左手を見る。テレビはついていて、しゃべるタヌキが主人公のアニメがやっている。その手前にはパソコンがあり、閉じてある。その更に手前にはちょっとしたアンティークな家具がある。上には金魚ばちが乗っていて２匹の金魚たちが元気に泳いでいる。中をのぞいてみると１段目には日記や家計簿、・・ちょっとのぞいてみたが結構裕福なようだ。２段目にはハンコなどの時と場合によっては使うが普段はあまり使わないといった類の物がびっしり、３段目にはＤＶＤ・ＣＤが入っていた。ＴＲＩＣＫのファンらしい。同調しつつ、部屋を見終えた。そこにちょうどさっきの部下がやってきた。
「いきなりいなくなってすみません。管理人さんの事情聴取を手伝ってたもんで。」
「そうかこれから忙しくなるぞ。」
「？　何でですか。」
「何でってこれは殺人事件だからさ。」

この刑事の言うように現場には自殺としてはおかしい点が３つほどあります。さてどこでしょう？