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ボディランゲージ殺人事件
難易度:★★
? 2007/11/22 19:45 Z県I市。
とあるペンションで、人が殺されたと通報が入った。 新米刑事の俺は、三田村警部補と現場に急行した。 山間部のやや鄙びたエリアに、「万年青荘」(まんねんあお?)はある。 青い屋根‥これが、万年青な訳か? 三田村「どう思う?舞草。」 舞草「‥俺に聞かれても困りますね。」 万年青荘の中は、捜査員と関係者でごった返していた。 古めかしいストーブの前に立つと、三田村が口を開いた。 三田村「殺されたのは、パスカル・ヘグリット氏。23歳。アメリカ人。」 「パスポートによれば、初来日らしい。」 「額を鈍器で1発‥ガツン!と。」 「全く‥度し難い世の中だ。」 両手を摺り合わせながら、苦い顔で三田村が呟く 三田村「死体はもう運ばれてるが‥。」 「写真がある。見るか?」 舞草「‥裂傷以外を。」 手のアップ。首許辺りを掴んでいる。 血痕のアップ。Yシャツには疎らに血痕が付いている。 ネクタイのアップ。凄くカラフルだが、ここにも血痕が付いている。 所持品のアップ。名刺入れには事件関係者の西野、唐沢、根管の名刺が入っている。 凶器のアップ。自由の女神の置物‥結構重そうだ。台座に血が着いている。 ‥ふーん‥。なるほどな。 三田村「‥じゃあ、関係者に話を聞くか。」 三田村に写真を返すと、隣の部屋に移動する。 ドアを開けると、ソファに座っていた4人は一斉に立ち上がった。 三田村「どうも。Z県警の、三田村と申します。」 舞草「舞草です。‥よろしくお願いします。」 三田村「じゃー‥皆さん。‥さらっと自己紹介を。」 唐沢「‥じゃあ、私から。」 「弁護士の、唐沢 袖夫《カラサワ ソデオ》です。」 「パスカルとは‥友人でした。」 「それが‥こんな事になるなんて‥。」 名刺を差し出されたので、とりあえず受け取る。 名前の横には、ご丁寧に「KARASAWA SODEO」と印刷してある。 西野「西野 恵理《ニシノ エリ》です。」 「仕事は‥唐沢氏の同僚です。」 「パスカル氏とは‥私も親しくしておりました。」 ‥と言う事は、この人も弁護士だろうか。 名刺は、達筆な漢字の名前と肩書きだけだ。 根管「根管 勲《ネクダ イサオ》です。」 「このペンションのオーナーをやっとります。」 「唐沢さんはよくご宿泊しますが、あの外人の方は初めてですね。」 ‥ヒゲが凄いな。 頬も顎も口も、全て柔らかそうなヒゲが包んでいる。 裾花「裾花 緋色《スソハナ ヒイロ》です。」 「えーと‥このペンションで、バイトしてます。」 ‥大学生だろうか。 サラサラとした黒髪が肩まで垂れている。 三田村「‥では、ヘグリット氏を発見した時の事を話して頂けますかな?」 「そちらは‥裾花さんでしたか。」 裾花「‥はい。」 「えーと‥12時半位だったかな‥。」 「唐沢さんの事務所から、万年青荘に電話が来たんです。」 「伝えたい事があるから所長に代わってくれ、との事でした。」 三田村「この電話は、唐沢さんの部下の方からだそうです。」 「‥電話をかけた本人が証言しています。」 裾花「‥それで、電話を持って2階の唐沢さんの部屋に行きました。」 「その時、パスカルさんの部屋のドアが開いていたので、何かあったのかなと覗いたら‥。」 三田村「ヘグリット氏が倒れていた、と。」 裾花「‥はい。」 少し俯いて、表情を曇らせる。 ‥思い出すのは、辛いだろうに。 裾花「とても苦しそうだったので‥。」 「駆け寄って、「大丈夫ですか!?」と声をかけました。」 「英語で何か言ってたけど‥何を言ってるのか分からなくて‥。」 「パスカルさんは‥「苦しい」って表したかったんでしょうか‥」 「首許を手で掴んで‥‥そのまま‥‥‥。」 話が終ると、場の空気が一気に重くなった。 ‥可哀想に。彼女は、これから何度その話を捜査員にさせられるんだろうか。 三田村「‥心中お察しします。」 「‥ところで‥皆さん、その時間帯に何をしていましたか?」 唐沢「私は、部屋で資料を整理していました。」 「ハナちゃんの悲鳴を聞いて、すっ飛んで行きましたね。」 西野「私も‥自分の部屋で本を読んでいました。」 「彼女の声に驚いて‥本を落としてしまいましたが。」 根管「私は、1階のキッチンで料理をしていました。」 「緋色ちゃんの声を聞いて、慌てて向かいましたよ。」 ‥要するに、全員アリバイは無い、と。 ちなみに、裾花さんのアリバイは電話口の会話で取れている。 先程のストーブの前のソファに座ると、裾花さんがお茶を用意してくれた。 舞草「あ、ありがとうございます。」 裾花「いえいえ。良いんです。」 舞草「裾花さんは‥英語を話せないんですか?」 裾花「ええ。‥お恥ずかしながら。」 「‥でも、ネクさんも話せませんよ!」 ネク‥?‥ああ、根管か。 裾花「西野さんや唐沢さんは話せるでしょうけど‥。」 「‥あ、後、パスカルさんは日本語はてんでダメです。」 舞草「‥そうですか。」 唐沢は、出張先のアメリカで知り合ったと証言している。 西野もそう証言しているから、間違いないだろう。 その時、俺の頭に一筋の光が走った。 舞草「あっ!」 裾花「どうしました!?」 三田村「どうした!?」 どこから出てきたんですか。警部補。 ‥まぁ、そんな事より‥。 舞草「‥わかりました!」 「三田村警部補!あの人を尋問して下さい!」 さて、パスカル・ヘグリット氏を撲殺した犯人は誰なんだろうか?
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