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ヒント知らないよ
このクイズの参加者(7人)
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難易度:★
![]() ![]() 昔、男ありけり。その男、身を要なきものに思ひなして、京にはあらじ、東の方に住むべき国求めにとて行きけり。もとより友とする人一人二人して行きけり。道知れる人もなくて、惑ひ行きけり。三河国、八橋という所に至りぬ。そこを八橋と言ひけるは、水ゆく川のくも手なれば、橋を八つ渡せるによりてなむ八橋と言ひける。その沢のほとりの木の陰に下りゐて、乾飯食ひけり。その沢にかきつばたいとおもしろく咲きたり。それを見て、ある人の言はく、「かきつばたといふ五文字を句の上に据ゑて、旅の心を詠め。」と言ひければ、詠める、
「か」らころも 「き」つつなれにし 「つ」ましあれば 「は」るばるきぬる 「た」びをしぞおもふ と詠めりければ、みな人、乾飯の上に涙落として、ほとびにけり。 行き行きて、信濃国に至りぬ。上高地に至りて、それを見て、ある人の言はく、「かみかうちの五文字を句の上の据ゑて、今の心を詠め。」
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