ある夏の事だった。僕は友達の勝又君にとある公園に呼び出された。そして立ち入り禁止のがけの上に行こうと言って来たんだ。何かあると思って、がけの上に一緒に来てみると、なんと勝又君がイキナリ僕の頭と腹を押してきたんだ・・・・それで、気がついたらこうして病院のベッドの上に寝ていたと。どうやら、僕はあの崖から落ちたらしい。命が助かってよかった♪

　どうやら、地面が柔らかかった事と、崖の高さがたいしたことがなかったことが幸いして全治３ヶ月の大怪我で済んだみたいだ。だけど、僕が崖から落ちた事をいち早く察知して、すぐに救急車を呼んでくれた人の名前を聞いた時とてつもなく驚いた。　　　　　　勝又　　　な、なんでだぁ！！もしかして噂に聞く瞬間移動？崖から下まで、回り道をして１０分はかかるんだぞ！！まあ、崖から飛び降りれば一瞬だけどね。

　もちろん僕は警察に証言をしたさ。『僕を突き落としたのは勝又君です！！』でも、聞き入れてくれもしなかった。ちなみに彼の証言はこんな感じだった。

　勝又「俺は、あいつと公園に来たけど、１０分ほどで分かれたから、崖にも行っていなければ、突き落としてもいない。あいつから離れたあと、俺はあの崖の下に行った。そこの近くのベンチで読書をしていたんだ。しばらくしたら、崖からあいつが崖と平行に落ちて来たじゃないか！！だから俺はあわてて救急車を呼んだよ。もちろん、他にも目撃者が大勢いて、同じ事を証言しているから嘘はついていないぜ。」

　とりあえず、僕はあの崖の上を調べてもらった。そしたら、縦１００cm横５０ｃｍ厚さ２センチの板と、縦２０ｃｍ横２０ｃｍ長さ４０ｃｍの木片が落ちていたそうだ。指紋は両方とも何も付いていなかったそうだ。

　僕には分かっていた。勝又の証言の矛盾点（証言の『崖にも行っていなければ、突き落としてもいない。』は矛盾ではなく嘘なので除く）と、そこから推理されるこの事件の成り行きが！！でも、決定的な証拠が一つも思いあたらない・・・・何かないかなぁ？

　さて、名探偵諸君には勝又君の犯行を立証してもらいたい。最低でも青字の部分は解明して欲しい。それでは、健闘を祈る・・・・おっと、最後に言って置こう。この事件は共犯でもなければ変装も一つもない。


　　　　　事件図　｜　　　 　　｜
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　　　　　　　　　　　｜　　崖　　｜　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　[ベンチ]

　　　　　　　　　　　　○一＜（被害者）