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版画家殺人事件 (>>22に解決編を載せました)
難易度:★★
寒來 2007/02/05 03:52 例のごとく、長文でしかも長文なのに単純な暗号問題と言う、何ともややこしい作りですがご容赦下さい
本来は暗号問題なので、ダイイングメッセージ編(>>2)だけ見ても犯人が誰なのかわかるようになっています ですから、長文を好まれない方はどうぞ読み飛ばして下さい(話のつながりは見えないですが) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (序章) 窓を開け放った部屋で机の前に男が立っており、その窓からは心地よい風が入っている。 街の雑踏から少し離れた処にあるその別荘において、その心地良さは格別の贅沢と言っても過言ではない。 男はその風を受けながら、窓の正面にある机の上を何やら整理しているようだ。 そこへ、ふと誰かが入ってくる・・・男は一瞬だけ振り返り「なんだ、まだ居たのか?」と、目線は机に落としたまま尋ねると、 尋ねられた方の人物は男の背後に忍び寄り、その瞬間、男のこめかみに冷たい感触が走った。 「おいおい、また物騒なものを持ち出して、怪我でもしたらどうするんだ。」 と、自分のこめかみに拳銃が突きつけられていることを、まるで意に介さないかのように返した。 一瞬の沈黙を置いて背後の人物が二言三言しゃべると、男は少し笑みを浮かべ「さぁ」と答えた。 それを聞いた背後の人物は男の背中をじっとにらみつけ、拳銃を持っていた右手に力を入れた。 それを感じ取ったのか男は「それがどうしたんだ?もう良いだろう。明日も仕事で早いんだよ」 と言いながら、整理していたものの中から紙切れを一枚左手に握り締めた。 背後の人物はどうやら憎しみの念に駆られていて、男が紙を握ったことには気付いていない様子だ。 また一瞬の間が空いた後、背後の人物の憎悪がピークに達した次の瞬間、虚空に乾いた音が響き渡った・・・ (本編) 朝、と言ってももう10時近くになるが、徹夜明けでようやく眠りに着こうかと言う時に、 無常にも電話の音が、少し無神経にも感じるような音で鳴り響き、少しの気だるさを押して携帯をとった。 どうも、ある芸術家が自殺したらしいのだが、念の為に私にも来て欲しいとのことで、 一層気が重いながらも「これも宿命か」と半ば諦め加減で車へと乗り込んだ。 死亡したのは鞍馬庚岱(くらま こうだい)47歳で、名の知れた版画家とのことだが、私は名前すら聞いたことが無かった。 自身の義父が所有する別荘の書斎で自殺し、今朝方倒れているのを発見されるに至ったらしい。 こうして私は悲しき殺人事件へと足を踏み入れるのであった・・・・・ 「あ、おはようございます!」と体育会系のその男は相も変わらず大きな声で私にそう言うと、 「あれ?寒(かん)さん調子悪そうっすね〜やっぱり徹夜明けは厳しいっすか(笑」 と、自分が調子の悪さの一因であるとも知らずにのん気に聞いてくるのであった。 この男の名は来栖守人(くるす もりと)、もう3年の付き合いになるのだが、未だにこいつの”ノリ”にはついて行けない時がある。 寒郡「で、現場の状況は?電話の感じじゃ自殺らしいんだろ」と、あくびまじりに聞くと、 来栖「ええ、部屋も特に荒らされた形成は在りませんし、右手に拳銃を握り締めて、右こめかみに銃痕があるんで、 十中八九間違いないとは思ったんですが」 寒郡「『ですが』何だ?」 来栖「寒さんが来る前に念のために鑑識さんに色々調べて貰ったら、右手からは硝煙反応が出無かったんです」 寒郡「詰まり他殺って事か・・・でその他には?銃の出所とか」 来栖「いわゆる違法改造銃ってやつで回転式の物でした。被害者のイニシャルが彫られていたので自作に間違いないと思います。 威力の方は実銃とほぼ同程度って話です」 寒郡「ふ〜ん、確か版画家?って言ってたか。手先が器用な芸術家が危ない趣味の持ち主とわな〜」 来栖「あ、それで関係者の人達に昼までにこっちに来てもらうように連絡しておきましたんで」 「あぁ分かった」と答えると、私は遺体にに近づき散らばっている紙を拾い、見ようとしたところ、 被害者の手に握られている紙を見つけ抜き取ろうとしたが、指が硬直していて取り出せなかった。 そんな私の後ろから来栖が「あの、第一発見者に話し聞きます?」と、おもむろに聞いてきたが、 「いや後で良い」とそっけなく返し、程なくして念の為に呼ばれていた監察医の先生に事情を説明し、 死後硬直が解けた後で握られていた紙を取りに行くと話した。 被害者が運び出され一通り見て回った後に一つ大きなあくびをすると「あ、寒さんコーヒー飲みます?ちょっとは目が覚めるでしょ」 と、変なところで気を使う来栖を横目に「いや、少し寝てくる」とだけ言い、車に戻って仮眠をとったのだった。 (事情聴取編へと続く・・・)
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