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ひねくれ者の遺言
難易度:★★★
ドッポ 2007/01/05 11:06 連続投稿で申し訳ありません。
手塚探偵事務所には、一人の依頼人、横内藍が訪れていた。 藍「実は先日、父が亡くなったんです。」 助手「それはそれは。」 藍「私の父は莫大な遺産をもっていました。父の遺言にはその中でも一番高価な世界最大級のダイヤモンド、別名、『創造主の汗』を家に隠したという事が書かれていたんです。」 探偵「そ、創造主の汗!?」 助手「どうかしたんですか?」 探偵「時価数十億円するという宝石だよ。創造主の汗といえば。」 助手「す、数十億円!」 藍「その創造主の汗をどうしても発見したいのです。けれど、隠し場所が暗号形式になっているんです・・・その暗号が私の頭では解けなくて・・・」 探偵「なるほど。で、私の協力が必要だと。」 藍「そういうことです。」 探偵「分かりました。いきましょう。明日、お伺いします。住所をここに書いて下さい。」 藍は、住所を書き終えると、ありがとうございますといって、探偵事務所を後にした。 ・・・・・・次の日・・・・・・・・ 助手「うわ・・・でっけぇ〜。」 探偵「あたりまえだろ。創造主の汗を隠すくらいのカネモチだからな。」 藍「こちらです・・・」 手塚探偵達は、家に招き入れられた。 藍「あの・・・こちらが、父の遺言です。」 探偵「拝見させて頂きます・・・あ、書いてあるじゃないですか。書庫にあるって。」 藍「ええ。書庫にあることにはあるんですが・・・」 探偵「何か、問題でも?」 藍「蔵書が、100万冊あるんです。」 探偵「・・・・・・・・・・・・・」 助手「その中の1つに、その『創造主の涙』が?」 藍「『創造主の汗』です。」 助手「すみません・・・」 藍「その本の中の1つにあるらしいのです・・・でも、それから探すのは大変でしょう?」 探偵「で、この分からなかったら、赤い箱を開けなさいというのは・・・?」 藍「説明します。遺言にあった赤い箱は、この家の金庫に入っていました。」 藍は赤い箱を取り出した。 探偵「ほう。これが・・・」 藍「ここを開けてみたところ、英語の本が入っていて、その間にこの紙が・・・。」 探偵「拝見します。」 探偵は、紙を見た。その紙にはこう書いてあった。 我の宝、次に書く作家の中にあり。 ミス、サイコロ、妹、言う、もう一度、ロックミュージック、プログラム、知る。 追伸・五角の角の心を忘れるな。 探偵「なるほど、なるほど・・・」 藍「遺言には父が好きな作家の本に入れたと書いてありました。つまり、この中の作家のだれかの作品に『創造主の汗』が入っているんです。」 そういって、藍はリストを取り出した。 助手「その中から探せばいいじゃないですか。」 藍「駄目です。同じ本が多いのですが、それらだけで50万冊を越えているんです。」 助手「でも、削ったところで調べなければいけないことには変わりがないでしょう。」 藍「人件費・時間が五分の一ですよ。かなりの差です。」 探偵「つまり彼女は、簡単に宝石を発見したいのだよ、長谷川君。」 助手「なるほどねぇ。」 探偵「藍さんのお父さんは、ひねくれ者だったよね。」 藍「え?どうして父がひねくれ者だと知っているんですか?」 探偵「ああ。知ってるとも。昔、知り合いだったんだ。」 藍「へぇ〜。そうだったんですか。」 探偵「もちろん、いらないものをあえて入れる人であったということも知っている。」 藍「そうです。そうです。父はよく料理に、隠し味といって料理にいらない材料を入れたりしていました。」 探偵「まぁ、それは置いておきましょう。好きな作家のリストを見せてくれませんか。」 藍「どうぞ。」 探偵は、そのリストを見て考え込んだ。 助手「では、ここで問題です。今から挙げる作家の中で、藍さんのお父さんが宝石を隠した本を書いた作家は誰でしょうか。理由も会わせてお考え下さい。」 三島由紀夫 太宰治 横溝正史 与謝野晶子 芥川龍之介
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