初めまして、黒百合と言います。よろしくお願いします。

またこの日がやって来た。一番憂鬱な時間だ。しかし、それも今日で終わりだ。ああ、アイツが来た…。
ここは、とある大邸宅。そこの一室に俺も含め五人の男がいる。皆、○×銀行のエリートだ。ここには月に二回、この五人が招待される。相手は○×銀行の頭取の娘だ。幼い頃から今まで何不自由なく育てられたせいで、とにかくわがままだ。この集まりも我々五人をいじるためにパーティと称して集めているだけ。しかし誰も互いに文句を言い合ったりしない。何故なら皆ライバルだからだ。頭取の娘の機嫌を損ねると、もうそいつに出世はない。だから我々は黙って従い、誰かがボロを出すまで待つのだ。しかしもう私は耐えられない。だが出世はしたい。だから今日、私が犯人とばれないようにこの女を殺すことに決めたのだ。やって来るなり女はいつものものを要求した。それは食事だ。女は五人に食事を持ってこさせ、全て一口ずつしか食べない。その上、我々は自分のも他人のも、一切口にしてはならない。しかし皆いつも高級なものばかりもってくる。他のヤツと差をつけるためだ。誰が何を用意しているかは出すまで互いに分からない。私は今回は高級寿司を持ってきた。上品ぶっていつもナイフやフォークでものを食べるが、さすがにこれは素手で食べた。あまりお気には召さなかったようだが。全員分食べ終えると恒例のプレゼント渡しが始まった。この集まりでは食事後、五人が女にプレゼントするのがしきたりとなっている。これも渡すまで誰が何を渡すか互いにしらない。あるものは指輪を、またあるものは香水をあげた。彼女はもらったものはすぐに身につけたり、使う。私はマニキュアをやった。女は上品ぶっているが親指の爪を噛むくせがある。全員のプレゼントも終わり、女は恒例の衣装換えにいった。女はこの時にトイレとシャワーを済ます。我々もこの時のみトイレに行くことができる。女のいる前ではトイレはおろか、女の目の前を離れることすら許されないのだ。この部屋には扉が二つしかなく一方は表の廊下と、もう一方は衣装部屋、トイレ、バスへ続く廊下と繋がっている。トイレは女用と我々用の二つがある。女が衣装を選んでいる間はバスに何かを仕込むことが可能だ。私は女が衣装換えに行くとすぐにトイレに行った。案の定、バスにはいなかった。女がいつも衣装選びに十分程時間をかけ、そののちシャワーを浴びトイレに行き、着替えるのを知っていた。私が部屋に戻るとすぐ別の男性がトイレに行った。ここには我々用のトイレは一つしかないため一人ずつしかいけないのだ。皆がトイレに行き、最後の男が帰ってきた時、ちょうど女も帰ってきた。それから皆でワインを飲んでいると女が急に口から多量の血を吐き倒れた。皆驚き、どうしようかとあたふたしていた。私は女に近づき、抱きかかえ、
「何をしている！君は救急車を、君は家の人を、君は警察を、君は水を持ってくるんだ！早く！」
と言った。皆あわてていて、必死だった。その隙に私は全員の食事に毒を入れた。警察をかくらんするためにだ。女の体には遅効性の猛毒がまわっている。死は免れない。これで完璧…なはずだった。しかし警察はやって来て皆にいくつか質問と状況を聞き、毒物反応結果を見るなり、私に疑いの目を向けてきた。怪しいところには一切証拠を残していないハズなのになぜ…。

問：この男はどうやって女の体内に毒を入れ、またなぜ警察はすぐにこの男を疑ったのでしょう？
僕が用意している答えは一つですが、合理的で論理的ならそちらも答えとします