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拒否権を発動する天秤ロボット
難易度:★★★
千夜一夜 2023/03/24 00:22 人工知能を搭載した汎用人型天秤ロボット1台を
1日契約で借りてきました。 明日にはロックがかかり、このロボットは使えなくなります。 返却する段取りとなります。 このロボットは、 1日あたり4回まで天秤ばかりとして 使うことができます。 使い方は簡単で、口頭で、 「左手にホゲホゲを持ち、右手にフガフガを持ち、 重さが同じならば両手を上げよ、 重さが違うならば、軽いほうの手だけを上げよ。」 と命じるだけです。 人口知能は人間からの命令を理解し 自動的に、何をすべきかを判断するわけです。 逆に言えば、先に示した、 この命令のフォーマット以外では、何も動作しません。 ロボットは1日あたり4回までこうした命令を受け入れますが、 そのうちランダムに選ばれた2回は拒否権を発動し、 何の結果も返しません。どちらの手もあげないのです。 またこのとき、1日4回の仕事のうち1回を消費したことになってしまいます。 更に。 一度拒否した命令を、次回以降に再び命じても 「さきほど拒否いたしました。」と言い、 1日4回の仕事のうち1回を消費したことになってしまいます。 人口知能は優秀なので、実質的に同じ命令かどうかを判断できます。 たとえば、 「左手に@Aを持ち、右手にBCを持ち、 重さが同じならば両手を上げよ、 重さが違うならば、軽いほうの手だけを上げよ。」 と、 「左手にBCを持ち、右手にA@を持ち、 重さが同じならば両手を上げよ、 重さが違うならば、軽いほうの手だけを上げよ。」 とは 同じ命令だと見抜きます。 さて、本日、この汎用人型天秤ロボットを借りてきた目的は ほかでもありません。すなわち。 8枚の金貨があり、 うち1枚は本物よりもごくごく軽い偽物、 その重さの差はこの天秤ロボットでしか 計測できないほどでして、 本物どうしは同じ重さで 偽物は本物よりも軽いことがわかっています。 今日中に偽物を見つけたいのでした。 さてどうしましょう?
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