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GMT47のGPの商魂
難易度:★★★
千夜一夜 2022/04/24 22:38 荒巻太一はアイドルユニット「GMT47」のジェネラルプロデューサーです。 GMT47の最初のヒット曲「暦の上ではディセンバー」が売れてからは 主としてCD販売数の伸長に力を入れた戦略を取っています。 荒巻は、47都道府県ごとのGMT47ユニットのサブユニット(地元サブユニット)を 次々に売り出して、新曲を次々にリリース、 《ネットでは聞けない》をキャッチフレーズに 巨大なCD販売数を叩きだしているのです。 昨年の戦略は次のようなものでした。 7枚のアルバムを一斉にリリースします。 予約購入のみが可能でした。 しかも、7枚のうち3枚を予約時にセレクト可能な、3枚組のCDセットのみの販売でした。 新発売最初の一ヶ月を締め切りに、3枚組のCDセットの何を買ったかについて、 購入者はCD販売店に登録することができます。 そして締め切り後に、新発売7枚のうち3枚を、 テレビで生中継公開での、《回転する丸板と弓矢で決定》し、注:(ただし、ダブったりしません) これを当選CDとし、購入者の3枚組のCDセットのうち少なくとも2枚が当選したならば、 アイドル握手会での優先券が入手できるとしたのです。 …… この戦略はファン達のCD購入意欲を大いに刺激しました。 荒巻の狙い通りです。 ネットでは、如何に効率的に(つまりお金をかけずに)3枚組を買えば 優先握手券が得られるかについての情報を研究するサイトが乱立しました。 定説は以下の通りです。 アルバムを1番から7番とします。 AからGまでの7通りの3枚組を購入すれば、3枚中少なくとも2枚が当選する組が必ず得られるというものです。 A 1 2 4 B 2 3 5 C 3 4 6 D 4 5 7 E 5 6 1 F 6 7 2 G 7 1 3 …実はこの情報も荒巻が仕込んだネタで、 ブロガーたちにステルスマーケティングをお願いしたものなのでした。 …… 荒巻にとって昨年の戦略は大成功でした。 今年は、もっとゴツい売り上げをもくろみました。 販促システムは同じままに、13枚のCDをリリースしたのです。 そして荒巻はまたもや、ブロガーたちにステルスマーケティングを仕込みました。 推奨する購入組み合わせは以下の通りであると。 すなわち、AからZまでの26通りのCD3枚組を購入すれば、 そのうち一通りは必ず2枚の当選が含まれている、 優先握手券が得られる、というものでした。 A 01 02 05 B 02 03 06 C 03 04 07 D 04 05 08 E 05 06 09 F 06 07 10 G 07 08 11 H 08 09 12 I 09 10 13 J 10 11 01 K 11 12 02 L 12 13 03 M 13 01 04 N 01 03 08 O 02 04 09 P 03 05 10 Q 04 06 11 R 05 07 12 S 06 08 13 T 07 09 01 U 08 10 02 V 09 11 03 W 10 12 04 X 11 13 05 Y 12 01 06 Z 13 02 07 …… 上の説は確かにもっともらしいのですけれども、 やがて、もっと少ない購入数で優先握手券を確実に入手できる、 という説がネット上に登場しました。 14通りの3枚組の購入で済むではないかとの新説なのでした。 荒巻の想定を崩した、この新説はどんなものなのかについてお考えください。
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