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勇者の帰還パート2
難易度:★★★
千夜一夜 2022/01/29 16:24 鬼ヶ島を制圧したばかりの桃太郎、サル、キジ、イヌの一行ではありましたけれども、休憩中に古い倉庫から1枚の魔法の絨毯を見つけた桃太郎は興奮して叫びました。 「みんなっ、聞いてくれっ。これから私はこの絨毯に乗って帰る。君たちはとりあえず宝箱を運んで帰路についてくれ。」 イヌ「何をおっしゃるモモモーモモーモモ」 サル・キジ「……!?」 桃太郎「ではまた会おう、諸君。運が良ければまたすぐに会えることだろう。さらばだ。」 そう言うがはやいか、桃太郎は小さな絨毯に乗って天空高く去っていきました。 ―― 桃太郎は雲の上を絨毯に乗って飛び、あっと言うまに自宅に帰ってきました。 桃太郎「じいじっ! じいじっ!! 魔法の絨毯乙号をみつけてきたよ!!!」 じいじ「なんと!」 じいじは早速、土蔵から魔法の絨毯甲号を取り出してきました。庭にひろげます。 土蔵にあった甲号を簡単な絵に書くとだいたい次のようなものでした。 ┏━┳━┳━┳━┓ ┃↑┃↑┃↑┃↑┃ ┣━╋━╋━╋━┫ ┃↑┃↑┃↑┃↑┃ ┣━╋━╋━╋━┫ ┃↑┃↑┃↑┃↑┃ ┣━╋━╋━╋━┫ ┃↑┃↑┃↑┃↑┃ ┗━┻━┻━┻━┛ そして、桃太郎は乙号を甲号の隣にひろげてみました。 ┏━┳━┳━┓ ┃↑┃↑┃↑┃ ┣━╋━╋━┫ ┃↑┃↑┃↑┃ ┣━╋━╋━┫ ┃↑┃↑┃↑┃ ┗━┻━┻━┛ 桃太郎「やっぱり間違いない!」 じいじ「うむうむ!!!……まさしくこのふたつの絨毯はパルス帝国伝来の品。先代の桃太郎が乙号を鬼ヶ島に忘れてきたんじゃが、ようやく今日になって!!」 ―― 実は、魔法の絨毯は次のようなタイルカーペットを何枚も用意し、幻獣ベヒモスの長毛で互いに固く縫いつける手法で製造されています。 ┏━┓ ┃↑┃ ┗━┛ 矢印の模様はタイルカーペットの表にしかありません。この矢印に魔法がかかっていて、矢の指し示す方向に水平推進力を発動するのです。また、裏は無地ですが、裏面全体に浮力を生み出す魔法がかけられているのです。 矢印の周囲にある枠線のように見える部分はジョイント用の特殊な素材でできていて、隣のタイルカーペットのジョイントとは、ベヒモスの長毛でしっかりと結合する仕掛けです。 きちんと動作する絨毯をつくるため、タイルカーペットどうしを結合する規則があります。 @表と裏とを混在してしまうと浮力に乱れが生じます。これはダメ。 A進行方向を示す矢印は全部揃えなくてはダメ。 どちらのルールも、まあそうだよねというルールです。 ジョイントをはずしたりまた再び結合したりすることは自由にできます。 ―― じいじも桃太郎もタイルカーペットから魔法の絨毯を組み立てる方法・分解する方法については熟知していました。 ―― 桃太郎は2枚の絨毯に、タイルカーペットごとに文字を墨で書き入れました。 ┏━┳━┳━┓ ┃あ┃い┃う┃ ┣━╋━╋━┫ ┃え┃お┃か┃ ┣━╋━╋━┫ ┃き┃く┃け┃ ┗━┻━┻━┛ ┏━┳━┳━┳━┓ ┃こ┃さ┃し┃す┃ ┣━╋━╋━╋━┫ ┃せ┃そ┃た┃ち┃ ┣━╋━╋━╋━┫ ┃つ┃て┃と┃な┃ ┣━╋━╋━╋━┫ ┃に┃ぬ┃ね┃の┃ ┗━┻━┻━┻━┛ 桃太郎はじいじに言いました。 「こんなふうにしたいんだ。甲号も乙号も2片に分けたい。そして計4片を再度結合して、魔法の絨毯【改】を作りたいんだよ。もちろんベヒモスの長毛を丁寧にほどいてジョイントをはずしたり、また結合したりは面倒なんだけど。」 桃太郎は下図のような絵をじいじにみせました。 ┏━┳━┳━┳━┳━┓ ┃?┃?┃?┃?┃?┃ ┣━╋━╋━╋━╋━┫ ┃?┃?┃?┃?┃?┃ ┣━╋━╋━╋━╋━┫ ┃?┃?┃?┃?┃?┃ ┣━╋━╋━╋━╋━┫ ┃?┃?┃?┃?┃?┃ ┣━╋━╋━╋━╋━┫ ┃?┃?┃?┃?┃?┃ ┗━┻━┻━┻━┻━┛ 桃太郎「これが魔法の絨毯【改】の設計図だよ。」 じいじ「このハテナマークはなんなんじゃい?」 桃太郎「ん。まだ未定なんだけど、甲も乙も2片にわけて再結合するんだけど、ジョイントをほどく手間とむすぶ手間とをできるだけ少なくしたいんだよね。」 じいじ「甲も乙も2片にわけるって、それは必要なんじゃかのう?」 桃太郎「ただの趣味」 じいじ「ふむ。それでハテナは?」 桃太郎「それはね……」 ―― 桃太郎は紙に設計図を詳しく書きました。 次のようなものでした。 乙号 あいう エオか きくけ 甲号 こさしす せそたチ つてトナ にぬねの 【改】 こさしすチ せそたトナ つてあいう にぬねのか エオきくけ 甲をカタカナ、ひらがなで示したように切り離し、 乙もカタカナ、ひらがなで示したように切り離します。それら4片を【改】の設計図のように接合してできあがり、というわけです。 ―― じいじ「それだと手間が多いのう……ベヒモスの長毛ならストックがたくさんあるから気にはしないのじゃが。」 桃太郎「ジョイント切り離しは11箇所、結合15箇所だね」 じいじ「もっと少なくできるじゃろ?……たとえば、甲号だけ7箇所ジョイントを切り離して乙号のまわりに配置する…ひいふうみい……11箇所の結合ですむぞい?」 桃太郎「いやだい、いやだい、どうしても、甲も乙も2片に分解して、4片をつなげたいんだっ。だって趣味を貫きとおしたいんだよお。」 じいじ「ふうむ。そうだとしてもじゃ。…ひいふうみい…もっと少なくできるじゃろ?切り離しは11箇所より少なく、結合も15箇所より少なく。ほれ。こうすればいいんじゃ。」 ―― 問題:切り離し箇所と結合箇所の総数の和が最小となるような設計をしてください。 切り離した各片を裏返したり回転させたりするとポンコツな絨毯になりますので避けてください。また、桃太郎の趣味は貫きとおすものとします。 なお御回答にあたっては、上に記載した通りひらがなカタカナで示すのを標準とします。…としますが、別な表記でも構いません。 ―― 桃太郎「やっと絨毯【改】ができたっ。これで、宝箱と4名を乗せて飛べるぞ。」 意気揚々と、置き去りにしてきたサル・キジ・イヌのもとに空を飛んで帰る桃太郎なのでした。 ちなみに、乙は一人のり、甲は二人のりだったんですよ。めでたしめでたし。
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