
「それでは生徒諸君、いよいよ明日に迫った卒業式の予行演習を行うぞい!」

「時期おかしくないですか校長先生」

「なんといっても卒業式のシメは全校生徒による巨大な人文字!全員が体育帽をかぶってグラウンドに整列することで上空から見ると我が校の校章の模様になるようにするんじゃ」

「なんで卒業式に体育帽なんかかぶらなきゃいけないんですか!だいたいこの学校の校章ってどんなんでしたっけ?」

「正方形で、赤と白のツートンカラーじゃ」

「まさかのカラー!!じゃあ日の丸みたいな感じですか?」

「左上から右下に向かって、徐々に赤が白に変わる感じじゃの」

「いらないでしょそのグラデーション!!」

「つまり出席番号1番の生徒が最も赤い体育帽をかぶって左上に立ち、そこから出席番号2番以降の生徒が徐々に白くなる体育帽をそれぞれかぶりながら右下に向かって並んでいくという寸法じゃ」

「めんどくさいですね。そんなに体育帽にカラーバリエーションがあるとは思えませんが」

「問題はどのような順番で生徒一人一人を並ばせていけば綺麗なグラデーションになるのかじゃが、集団行動の基本的な並びとして四角隊列と三角隊列があるのじゃ」

「あなた絶対集団行動知らないでしょ」

「四角隊列はこのように、反時計回りに四角を作りながら並んでいく方法じゃな」
14916…
23815…
56714…
10111213…
……………

「まぁ四角といっちゃ四角ですね」

「出席番号1番の生徒から見て、出席番号15番の生徒は2行4列の位置にいるということじゃな」

「ということは、m行n列の位置にいる人の出席番号をmとnで表すと、
??????????ということになりますね」

「むむっ!?算数は分からんわい…」

「ところで僕の出席番号って何番でしたっけ」

「そんなのも知らんのか!ええと君は…確か2015番じゃったな」

「どんだけ生徒いるんですか!!しかも今さら2015って数字ちょっと古い!!
まぁ、それなら僕の位置は
?行
?列ということですかね…遠い…」

「お次は三角隊列じゃな。今度は反時計回りに三角を描いていくんじゃ」
1361015…
25914…
4813…
712…
11…
…

「そんな並び方本当にあるんですか!?」

「今度は出席番号14番の生徒が2行4列の位置にいるということじゃな」

「これだとm行n列の位置にいる人は
??????????で、
僕の位置は
?行
?列ですね。これまた遠い…」

「おぬし、計算が早いな…さまーうぉーずにでも出とったか?」

「え、何の話ですか?」

「いや、何でもないわい…
とにかく明日は全校生徒で綺麗なグラデーション校章を作るのじゃ!!それでは練習を行うぞい!!まずは出席番号1番の生徒から前へ!!」

「…もうみんな話の途中で帰ってます」

「」