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難易度:★★★
![]() ![]() 鼠の、女をまうけて、天下にならびなき婿をとらんと、おほけなく思ひくはだて、日天子こそ世を照らし給ふ徳、めでたけれと思ひて、朝日の出で給ふに、「女をもちて候ふ。みめかたちなだらかに候ふ。まゐらせん。」と申すに、「我は世間を照らす徳あれども、雲にあひぬれば光もなくなるなり。雲を婿にとれ。」と、仰せられければ、誠にと思ひて、黒き雲の見ゆるにあひて、このよし申すに、「我は日の光をもかくす徳あれども、風に吹きたてられぬれば、何にてもなし。風を婿にせよ。」と言ふ。さもと思ひて、山風の吹けるに向きて、このよし申すに、「我は雲をも吹き、草木をも吹きなびかす徳あれども、築地にあひぬれば力なきなり。築地を婿にせよ。」と言ふ。げにと思ひて、築地にこのよしを言ふに、「我は風にて動かぬ徳あれども、鼠に掘らるる時、たへがたきなり。」と、言ひければ、さては、鼠は何にもすぐれたるとて、鼠を婿にとりけり。
★日天子…太陽 ★徳・・・能力 ★築地・・・土でつくった塀 以上のお話は「沙石集」からですが、知っている人も多いかと思います。 小学生の方もおられるようなので、おおよその意味を載せておきます。 鼠が女の子を授かって、天下一の婿をとろうと、身のほどをわきまえずたくらみ、太陽が世を照らされる能力はすばらしいと思って、朝日に「娘がいます。容姿がよろしゅうございます。差し上げましょう。」と申したところ、「私は世間を照らす能力があるが、雲に出会うと光もなくなってしまう。雲を婿にとれ。」とおっしゃったので、本当にと思って雲にこのことを申したところ、「私は日の光を隠す能力があるが、風に吹かれるとどうにもならない。風を婿にせよ。」と言う。いかにもと思って風にこのことを申すと、「私は雲を吹き飛ばす能力があるが、土塀にあうと力はない。土塀を婿にせよ。」と言う。なるほどと思って土塀にこのことを言うと、「私は風に動かない能力があるが、鼠に掘られると耐えられない。」と言ったので、それならば鼠が何よりもすぐれていると思って、鼠を婿にとった。 ★この話の登場人物「鼠」「太陽」「雲」「風」「築地」を別のものに変えて新しい話を作ってください。但し、話の大筋(天下一の婿をとる)を変えてはいけません。なお、最終的には自分と同じものを婿にして下さい。(ここでは「鼠」の女の子が「鼠」を婿にとった。)但し、登場人物は物でも動物でも人でも構いませんが、この文での「鼠」にあたる部分は動物又は人にして下さい。下の空所を埋める形で完成させてください。(相談に行く回数や言葉は自由です。下の文章は参考程度にとどめておいて下さい。)面白い話をお待ちしております。口語(現代語)で結構です。 [ A ]が女の子を授かって、天下一の婿をとろうと、身のほどをわきまえずたくらみ、[ B ]が[ C ]と思って、[ B ]に「娘がいます。容姿がよろしゅうございます。差し上げましょう。」と申したところ、「[ D ]。」とおっしゃったので、本当にと思って[ E ]にこのことを申したところ、「[ F ]。」と言う。いかにもと思って[ G ]にこのことを申すと、「[ H ]」と言う。なるほどと思って[ I ]にこのことを言うと、「[ J ]。」と言ったので、それならば[ A ]が何よりもすぐれていると思って、[ A ]を婿にとった。 よろしくお願いします。
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