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ヒント知らないよ
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難易度:★★
![]() ![]() 「常盤誠子さんですね?」
訪ねてくるなり刑事だと名乗る男は、その職特有の、人を勘繰る視線を私に向けながら言った。 「そうですけど・・・・・・。あの、警察の方が何か?」 「いえいえ。特段、大きな事情があって来たわけではないのですが・・・・・・。おたくのご主人、常盤健一さんに少し頼みごとをされましてね」 「主人が?・・・・・・・あの、主人とあなたは・・・・・・」 「ああ、実は私、健一さんとは大学時代以来の友人でしてね。今回、どうしてもあなたに確認してほしいことがあるということで、私がこうして出向いて来たわけです」 「確認?何のですか?」 訝る私に、刑事は平然とした口調で言った。「あなたの浮気に関することです」 私の頭に血が上る。「何ですって?」 「いえ、ですから、あなたには浮気の嫌疑がかかっておりますので、私がご主人の代わりにそこのところの事情をはっきりさせたく、こうして参上つかまつった次第でして」 「失礼ですね!浮気の嫌疑とか、ふざけてるんですか?私がどうして浮気など・・・・・・」 「おっと奥さん」刑事は口の端を意味深に持ち上げ、私の反論を制した。「今から話をするにあたり、嘘は言わない方がいい。何故なら、私は人の言葉から嘘が分かる人間だからです」 すると、この男が。私は、夫がよく、自分の友人たちの中に人の言葉から嘘を見抜く者がいるのだと言っていたことを思い出した。無論、眉唾な話ではあるが、一応念を入れておくに越したことはないだろう。 「私が浮気をしているという証拠はあるのですか?」 すると刑事は、「実は、健一さんが仕事で外回りをしている時、あなたと見知らぬ男が親しげに歩いているのを目撃したそうなんです。また、別の日には、さらに違う男と一緒にいたのも見られています」 「そんな・・・・・・。健一さんはそんなこと、私に一言も言ってこなかった」 「たぶん、自分で確かめるのが怖かったのでしょう。だからこうして私が来たわけです。で、どうなんですか、奥さん。私はあなたの言葉が聞きたい」 「でははっきり言いましょう。私は健一さん以外に男女の関係を持ってなどいません。神に誓ってもいい」 刑事は私をじっと凝視していたが、やがて視線を緩めていった。「ふむ。どうやら、あなたの言葉に嘘はないようですね。では、健一さんにはあなたは無罪だと伝えておきますよ。どうも失礼いたしました」 こうして刑事は帰っていった。 ・・・・・ふん、あの馬鹿刑事め。今日もたっぷりと浮気してやる。 刑事はどうして、常盤誠子の嘘が見抜けなかったのだろう?
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