僕は十二人兄弟だった。
だけど十一人の兄弟は一人、また一人と僕から離れていった。
気づいてみればもうたけしと僕の２人しか残っていなかった。
そしてついにはたけしまで僕から離れていってしまった・・・。

衝撃を受けたのはついさっきのことだった。
僕は見慣れない場所に連れてこられた。
見たことはあったが実際に来たのはこれが初めてだ。
そこで久々に僕はたけしに会った。
僕は、びっくりした。
驚いた。
彼を見たとき目を疑った。
見違える程に背が低くなっていたのだ。
あれがたけしとは全く思えなかった。

　たっ、たけし・・・！！一体・・・なにが！？

　お、おまえもこんな姿にされる前に・・・早く・・・逃げろ・・・、そうしないと・・・、うっ！！うわ〜！！！！

　・・・たっ、たけし〜！！！！！！！！！

情けない姿のたけしは奈落の底へ落とされていった。

もうあと残るは俺だけ。
俺もあんな姿にされ、最後には・・・。
恐怖で震えているしかなかった。

　う・・・！　お、俺の番が来たのか・・・！？　う、うわ！！

　　　　がっしゃん！！

僕は空洞に、頭から強引に突っ込まれた。
首がとても絞められ、痛い。なんて痛みだ。
するとガリガリガリガリ音がする、と共にものすごい激痛が走った。

　うっうぐぐぐぐぐ！や、やめてくれー！！痛い、痛いよぉ！！ぐ、ぐはぁ！！


10数秒後。
やっと地獄のような痛みから解放された。
これか・・・たけしがあんな姿になっていたのはこのせいだったのか・・・！
く、くそ・・・このままじゃ俺もたけしみたいに・・・。
そうなる前に・・・逃げなきゃ・・・。



しかし「僕」は運命から逃れられることはなかった。
何度も何度もこの空洞に頭を入れられ「僕」は衰弱していく。
そしてとうとう「僕」もたけしと同じように、いや、他の十一人の兄弟と同じように奈落の底へ落とされていった・・・。

　
次生まれ変わったら、あの方達みたいに永遠を手に入れたい・・・な・・・。