暴風域がA地点に懸かり始めるのは(600-200)/50=8時間後．
したがって，400/8=50[km/h]以上で航行しなければならない．

問題文の状況が実現している初期時刻の台風の中心を原点とし，東向きを正とし東西方向にx軸を，北向きを正とし南北方向にy軸を設定する．単位を距離に関してkm，時間に関してhを用いることと約束し，以下，式中では単位を省略する．<br><br>台風中心の位置座標Toは<br><br>To(0,50t)<br><br>である．一方で，タリナイック号の位置座標は<br><br>点P(-400+vt,600)<br><br>である．点Pが暴風域に完全に入り切らないためには，点PとTo間の距離が常に200以上であれば良い．数式で表現すれば<br><br>(-400+vt)^2+(600-50t)^2≧200^2　…(1)<br><br>が絶対不等式になることである．(1)式を展開整理して<br><br>(v^2+2500)t^2+2(-400v-30000)t+480000≧0　…(2)<br><br>これは上に凸の放物線であり，常に非負であるためには，判別式D≦0であれば良い．<br><br>D/4=(-400v-30000)^2-480000(v^2+2500)≦0<br><br>整理すると<br><br>-300000000+24000000v-320000v^2≦0<br><br>この等号が成り立つv，つまりv=25(3±√3)/2の時，暴風域外周を掠める．解を検討すると<br><br>v=25(3-√3)/2≒15.8[km/h]は暴風域の後方を暴風域に懸かることなく通過できる最高速度を意味し，<br><br>v=25(3+√3)/2≒59.1[km/h]は暴風域の前方を暴風域に懸かることなく通過できる最低速度を意味する．<br><br>求められている解は60km/h<br><br>

約59.15km/h、切り上げ60km/h。
現在の客船の位置をB、現在の暴風圏の中心をP、
Bから暴風圏に引いた接線のうち、北側にあるものをQとする。
あとは△ABOと△QPOが相似で比が2:1。更に三平方の定理からAOの距離が求められる。計算省略。

55km/h