イヌイット人が遺した物語です
今までで一番難しいかも？
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昔、はるか北の国で、冬の日に大きな地震が起こりました。
家という家が壊れ、凍った海から氷の塊が吹き飛び、人々は命からがら逃げ出しました。
残ったのは、小さな男の子と、年をとって魔法の力を失ったシャーマンの2人きりでした。
魚や動物も逃げてしまったので、2人には食べるものもありません。
山を越え、敵の国の入り江で魚を釣るほかありませんでした。

やっとのことで向こうの入り江に着くと、2人はもうへとへとでした。
男の子が魚を釣ろうとすると、シャーマンが言いました。
「いいかい、敵に見つかればすぐに私達はすぐに殺されてしまう。私にはもう力がないが、お前なら秘密の槍を使うことができる。使い方を教えよう。
お前のような強い少年には、特別な力のあることを、奴らも知っておるからな」
男の子は、「何とかやってみる」と言いました。
丁度そこへ、恐い顔つきの狩人が2人やってくるのが見えました。
シャーマンは男の子に、秘密の槍を使うための魔法の言葉を急いで教えました。

2人の狩人がシャーマン達に、「お前たちはあっちの国の者だな？お前達を殺すぞ」と言うと、シャーマンが「それは無理だ」と言いました。
「この子は秘密の槍を持っておる。この槍は、魔法の力でどんな獲物も逃がしはしないし、どんな危険からも身を守ってくれるのじゃ」
狩人達が笑うと、シャーマンは叫びました。
「この子の槍は、お前達のどんな武器よりも強いぞ！」
狩人達は、子供に負ける気などさらさらありません。
「秘密の槍を使うための魔法の言葉を今すぐ教えろ。さもないと殺すぞ」と脅しつけました。
男の子は仕方なくうなずき、
「でも、一度に1人ずつにしか教えられません。そうしないと、魔法は効きませんから」と言いました。
そして、1人の狩人の耳に何やら囁き、その後もう1人の耳にも囁きました。
すると、2人の狩人はにらみ合い、喧嘩を始めました。そしてあっという間に互いを刺し殺し、冷たい海へと落ちて行きました。
やがて敵の国の人々がこの様子を見て驚きました。狩人は国内でも暴れており、誰もこの乱暴な狩人達に敵わなかったからです。
そこで人々は、シャーマンと男の子に、好きなだけ入り江で魚を釣ることを許してくれました。
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さて、今回は2つの事柄についてお聞きします。
1,『秘密の槍』とはいったい何か？
2,男の子が囁いた『魔法の言葉』の内容は？
それではお考え下さい。