このクイズのヒント
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ヒント知らないよ
このクイズの参加者(23人)
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難易度:★★
![]() ![]() 玄関の鍵を開けようとした時、「大沼君!」と後ろから声が聞こえた。大家である鉄谷町子の声だ。
大家は、オカルト話をするのが好きだった。つい最近も、「幽霊が刀を使って人を殺した事件があったらしいのよお」と自慢げに話していた。全くもって胡散臭い。 「大家さん、僕は疲れてるんで早く寝たいんですけど。……って、どうしたんですか、その鼻のティッシュ」 「いや実はね、慌てて部屋を飛び出した時に、鼻を思い切り打っちゃって、鼻血が出ちゃったのよ」 「何で慌てて部屋を飛び出しちゃったんですか」大沼は頭を抱えながら訊く。 「私が自分の部屋でそろばんをいじっていた時に、不気味な気配を感じたの」 「不気味な気配?」 「冷や汗を垂らしながら窓の外を見てみると、動く人影があって」 「それはただの通行人じゃないですか?」 「上を見たら、電飾の紐が微かに揺れていて」 「きっと隙間風だと思いますが」 「後ろを向いたら、襖が少し開いていて」 「多分閉め忘れたんですよ」 「そして壁に掛けられている鏡を見たら、鼻にティッシュを突っ込んだ不細工な女がいて!」 「……それ、大家さん自身ですから」 「それで怖くなって、部屋を飛び出したってわけ。まあちゃんと思い返せば、全部自分の思い過ごしだったんだけどね」 大家が舌をぺろりと出す。吐き気を催したところで、「あっ」と声を発した。 「え、何、どうしたの?」 先ほどの大家の言葉を思い出して、汗が流れる。肌が粟立った。 「大家さん」と震える声で言う。「大家さんの証言が本当なら、おかしいですよ」 さて、大沼はどこがおかしいと思ったのか。
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