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ヒント知らないよ
このクイズの参加者(15人)
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難易度:★★★
![]() ![]() 「なんだか、今日はずいぶんと暖かいな。いよいよ、春の到来というわけか」事件現場へと向かう道すがら、ビン・ボウ警部補は、二人の部下を伴いながら、しみじみとした口調で言った。
「気候はどれだけ暖かくなっても、ビン・ボウ警部補の懐の中は寒いまま。精神的には一生の冬を抱えながら行き過ぎる人生の路。・・・・・・なかなかどうして、涙を誘う生き様じゃないですか、ビン・ボウ警部補」部下の一人である中・流刑事が、彼にとっては、もはや日課となりつつある皮肉を口にした。 「きっと、お金に嫌われているのでしょうね。ビン・ボウ警部補は」もう一人の部下である利子刑事が、余計な合いの手を入れた。 「さあ、現場についたぞ。今日も張り切っていこう」二人の部下の言語的攻撃を振り払うかのように、ビン・ボウ警部補は快活とした声を張り上げた。 「殺されたのはロンダ・リング氏。44歳。独身。犯行現場は、この真っ白な部屋だと思われます」先に現場に到着していた円安刑事が3人に状況説明を行った。「犯人はすぐに捕まりました。犯行に使われたのはアメリカ製のオートマチック式拳銃です。当たりどころが悪かったためか、被害者は即死でした。犯人が銃を片手に持ちながら、現場付近をうろうろしていたところを、この建物の管理人に捕縛され、その後、我々が駆けつけました」 刑事たちがいる現場は、10メートル四方の部屋だった。真ん中に被害者の死体が、銃弾を2、3発受けた状態で仰向けに倒れている。しかし、三人の刑事が驚いたのは、死体よりも、この奇妙な部屋だった。 その部屋は、調度品はおろか、台所や風呂場、トイレすらも設置されていない。死体を除いては、見事なまでに「なにもない」、真っ白な部屋だったのである。照明については、人が入ると天井全体が光り、部屋を照らすシステムなのだそうだ。 「ともかく、犯人に話を訊こうか」 ビン・ボウ警部補の要請で犯人が呼ばれた。彼は犯行時の行動を語った。「ふん、あの野郎は殺されて当然の人間だったのさ。幼馴染でありながら、俺が奴から1000ドルほど盗んだのを怒ったのだからな。あの部屋は普段は使われてねえ。奴が何か思想に耽る時に使っていたんだそうだ。 今から一時間ほど前のことだ。奴があの部屋に入ってすぐ、俺も続いて中へ入り、拳銃で奴の胸板に数発ぶち込んでやったのさ。その直後、外に人の気配があったので、間髪入れず、すぐに逃げた。まあ、結局は捕まっちまったが・・・・・・」 「被害者を撃ち殺した後、すぐに逃げたのですか?」ビン・ボウ警部補が訊いた。 「ああ」 「本当に?」 「・・・・・・どういう意味だ?」 「どんな細かいことでも結構です。他に何かしたことはありませんか?」 「何言ってんだよ。あるわけねえだろ。・・・・・・見てみろよ。この部屋は文字通り、死体以外は『なにもねえ』部屋なんだぜ? もし盗みを疑ってんのなら、無駄だ。盗もうにも、盗むべきものがねえんだからな」 「管理人さん」ビン・ボウ警部補は、管理人を呼びつけ、訊いた。「男の犯行後、この部屋に犯人と被害者の二人以外の誰かが入ったのを見たりしましたか?」 「いや、あの二人が入って、犯人の男が出てきてから、俺がそいつを捕まえた後、あんたらが来るまで、入った人間はいなかったと思うよ。俺はずっと見ていたからね」 「一方で、警察側も現場をいじってはいません」円安刑事が言った。 「となると、あなたは嘘を吐いていることになる」ビン・ボウ警部補は犯人の男に向かって言った。「もっとも、こんな嘘を吐くことに、どんな意味があるのかまでは分かりませんがね」 ビン・ボウ警部補の推理とは?
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