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『コマ―』と鳥川の事件簿#40
難易度:★★★  
?駒一 2012/01/31 20:41

僕はアパートの屋根一つ下で知り合いの女性と眠れない一夜を過ごしましたっと。
日記にかきかき。ご想像に虚しく嘘である。
嘘って虚しい口と書くんですね。勉強になりました。これも嘘。
「鳥川さーん? 卵焼きってダシ派ですか? それとも砂糖派?」
「どっちでもいいですよ―」
で、この寝泊まりさせて頂いている状況だけは本当。
女性のエプロン姿をこうして間近で見られるとは夢にも思わなかったです。
そんな空想日記、(空しい想像日記)を頭から排除して
僕は目の前のお味噌汁づくりに奮闘する。
内緒の一宿一飯の恩義。
これ以上、ここに寝泊まりするのは精神的に無理なので今日の予定としては宿探しである。
それから十五分ほどして食事の準備が出来上がると
僕と綾香は四角いテーブルに向き合って食事を始めた。
「鳥川さんのお味噌汁、美味しいですね―。
 探偵助手とか教授をする前に何かやってたんですか?」
うーん、ここでラーメン屋の息子です。
なんて言ったら次はラーメンでも作らされるのだろうか。卵焼きをいただく。美味い。
曖昧にごまかして卵焼きを褒める道を選択した。
「この卵焼きも美味しいよ? 毎朝食べたいくらい」
またなんか綾香が悶えた。
卵焼きの糖分の副作用にぐにゃっと倒れ込むなんて効果でもあるのかな。
パクリともう一つ卵焼きをいただく。やっぱり美味しい。
「と、と、と、鳥川さんったら、じょ、冗談はやめてくださいよ―」
なんとか復活したようだ。まったく、何をテンパっているのやら……。
「そう? 僕は好きだけど」この卵焼き。
あ、なんか悶え死んだ。

綾香がなんとか意識不明の悶死を遂げて復活し、
その場の流れでなんとなく警察署まで送り迎えすることになった。
なんでも、「わ、私にモウ少し、か、か考えル時間ヲ―――!」………らしい。
いつクイズを出したっけ。出題者も疑問の問題である。
電車に乗りながらの付き添いの間中、
ずっと顔を真っ赤にうつむいていたので
熱でもあるのかとおでこをくっつけたら見事に頬にビンタを貰った。
うーん、女心って数学よりも難しい……。

「とにかく! 鳥川さんは、あの、その、待っててくださいね!」
うーん、何を待つのだろう。
そう思いながら警察署の前にあるベンチに深く腰をかけた。
少し空を見上げる。羊雲がいくつかふわふわと流れていく。
海造達、寝る場所はみつけられただろうか。
『コマー』と喧嘩して、まだ一日しか経っていないのか……。
言動、服装、感覚。全てを思い返す。
あいつ、やっぱり何か変だった。それに、僕はあんなのとまた仲良くやれるのだろうか?
ぐっと下唇を噛む。何があったんだよ、本当に……。
「とりあえずまあ、
今の顔にモミジをつけた鳥川君とひねくれコマ―君が仲良くするのには無理な話だね」
うわあああkdlふぁjsdklfじゃklふぁj!!
文字が誤変換。キーボードが飛んだり跳ねたりして僕もつられてベンチから飛び降りる。
右、よし。左、よし。上、よし。下、
………なんか、さっき座っていたベンチの下に茶色のジャケットを着た変なのがいる。
「まったく、初めて会ったときと同じく、変なのと思われるとは、君も変わっていないな」
ごわごわとベンチの下から巨体を起き上がらせたのは、
十五年前、突如としてアメリカへと姿を消した人物。
一二三始だった。

「ひ、一二三……さん?」
「僕と同じような人物が地球上に二匹もいると思っていたのか、鳥ガラスープ君」
間違いない、一二三さんだ。あまりに呑気すぎて訂正する気力さえ失せてくる。
「それより、あれからどうしてたんですか? 連絡もなしに心配で……」
「そこからは、クイズを解いてからだ!」
どこから取り出したのか一二三は、いきなりクイズの書かれたプレートを僕に手渡した。

ここに絵で描かれた巨大な一本の枯れ木がある。
この枯れ木の枝の部分に一円玉の一枚分のスペースの分だけ丸が書かれているのだが
そこに一枚ずつ一円をセロハンテープで貼っていくと
一円玉が葉のようになり銀色の樹木のように見えるのだが
そのスペースすべてに一円玉を一枚ずつ貼っていくと「銀の葉」は最大で何枚になるだろうか?
ちなみに予定ではスペースすべてに貼りつけるとちょうど二千円分集まるという。

なんというか、十五年たったというのにこの人は容姿も何も変わらないな………。
まるで自分だけが十五年の歳月を無駄に取ってしまったような、そんな疲労感に襲われる。
「で、鳥川君はこのクイズを解くのかい?」
にこりと笑う唇。十五年前のあの時とまるで変わらない。
ああ、そうか。変わらないからこそ、だからこそ、どこかで安心できるんだ。
「あーもう……当然、絶対に解きますよ」
僕はクイズに、そしてこれから待ち受ける壁に向き直った。
なにもしなけりゃ、なにも変わらない。そうだろ、僕。
Answerまず二千たすそれに二千×一円玉の裏の葉の数が八で千六百。
つまり、二千+千六百で三千六百枚となる。
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