クリスマスを間近に控えた１２月のある日、リキッド警察署に殺人事件の通報がった。

　曰く、「サンタクロースが殺された」のだそうだ。

「♪　あわてんぼうの　サンタクロース　クリスマス前に　死んでいた　ってやつかな」通報を聞いた利子増太郎刑事が面白そうに言った。

「利子刑事、人が死んだんですよ。不謹慎です」と返したのは、彼とは向かいの席に座る中・流刑事だ。

「サンタクロースがなんだって？」ちょうどその時、ビン・ボウ警部補がオフィスに入ってきた。「年甲斐にもなくプレゼントでもほしくなったのか？」

「違いますよ」中・流刑事が言った。「サンタクロースが死んだそうです」

　３０分後、三人は現場に駆けつけた。

　言うまでもなく、被害者は本物のサンタではない。サンタクロースの仮装をした、日本人観光客だった。右手には携帯電話が握られており、その画面には、以下のような数字、記号の羅列があった。

「１４７＊２３６９＃８２１４７＊０＃６９３２１２３５８０１４７＊２３６９＃８」

「被害者は芯田様太（しんだようた）、５６歳。おそらくダイイング・メッセージだろう。関係者を集めてくれ」警部補は、部下二人に命じた。

関係者（および彼らの言い分）

青田良二（あおたりょうじ）（３３歳・医師）
「人を治すのが仕事である俺が、人殺しなんてやる思うか？」

的場敬三（まとばけいぞう）（４３歳・自然人類学者）
「人殺しぃ！！？ふん、そんなことする暇があったら、蟻んこでも踏みつぶしてますよ。奴らから発せられる蟻酸の匂いがたまらん！ひひひ・・・」

新田里流（にったさとる）（３１歳・無職）
「やってませーん」

ラパン氏（？？歳・？？？）
「通報したのは私です。別に死体から財布なんて取ってませんからね！」

　さて、ダイイングメッセージは、関係者のうちの誰を指しているのだろう？
　理由もあわせてお答えください。


中・流：「ところで、ビン・ボウ警部補」
ビン・ボウ：「なんだ？」
中・流：「このシリーズって、まだ続いてたんですね。１０月以降、なんの音沙汰もないから、てっきり打ち切りになったのかと思ってましたよ」
ビン・ボウ：「打ち切りになってほしかったのか？」
中・流：「はい」
ビン・ボウ：「おいっ！」