陥穽高等学校、『落とし穴同好会』所属のオチ太郎とオチ子が、突如として「落とし穴対決」をやることになった。

　ルールは簡単。校庭内の好きなところに落とし穴を掘って、どちらの穴が校長先生を落とすことができるかを競うのだ。
　

なお、掘る穴については、両者とも同じ条件を指定されている。　

＞＞穴の直径は１メートル、深さは２メートルでなければならない。

＞＞穴の上に被せるカモフラージュは、指定のござ（二人に配給済み）のみを使用すること。これ以外のものは使ってはならないし、また、ござは使わなくてもよい。

＞＞校庭の外に穴を掘ってはならない。　

＞＞誰かを意図的に落とす、あるいは誰かが意図的に落ちる、という戦略を用いてはならないし、偶然を装った細工も不可。

＞＞落とし穴についてのいかなる情報も、同好会関係者以外に流布してはならない（落とし穴の位置について把握できるのは、対決者二人と同好会のメンバーのみ）

　
　対決は、両者が穴を設置後、校長先生が落ちるまで続けられるが、校長先生が落ちる前に、誰かほかの人が落ちてしまった場合、やりなおしとなる。

　対決当日、くじ引きにより、オチ太郎が先に穴を掘る権利を得た。
　そして彼はなんと、校長室に通じる裏戸のすぐ手前に穴を掘ってしまったのだ！

「勝負あったな」と、オチ太郎は満面の笑み。
　だが、オチ子は、「残念だけど、私が負けることは、絶対にないわね」と、余裕綽々に言ってのけた。　さて、オチ子の秘策とは？？