私は毎年、身内でも知り合いでもない人の墓参りをしている。
それは数年前に体験したあの出来事から・・・

その日は曇り空だった。私は一人でとある田舎町を散歩していた。
夕暮れ時だったが、私以外誰もいないようだった。日が落ちるのを眺めながら散歩していると、一人の老人が線路を渡ろうとしているのが見えた。その老人は男か女かわからなく、ひどく腰が曲がっていた。

その時、カンカンカンと警告音が鳴った。ふと老人を見るとまだ線路を渡り切っていなかった。
そこで私はある事に気づいて憤りを感じたが、そんなことより目の前で起こっている事に目を向けた。

老人はおぼつかない足取りでまだ線路を渡っていた。私は居ても立ってもいられなくなり
「おい！危ないぞ！」と声をあげたが、老人は気づかない。さらに大きな声で「危ないぞ！早く逃げろ！」と言った。
すると、老人はゆっくりとこちらを振り向いた。
私は気づいてしまった。「あっ」と、声を漏らしたがもう遅かった・・・。

私はがっくりと膝をついてただただ身を震わせていた。


さて、この男が気づいた事とはなんだろうか？
2つお答えください。いろいろな解答お待ちしております。