とある小さなホテルの一室で女性が殺害された。
彼女の名は赤井 瞳。彼女は今月の6日から友人4とこのホテルに泊まりに来ていた。
友人達の名は青田 圭介、緑川 進、黄島 浩太、黒沢 美沙だ。
事件当時、彼ら以外に宿泊客はいなかった。

赤井が殺されたのは彼女の泊まっていたのは2階の203号室だった。部屋には窓やドアがあったがいずれも施錠されていた。特に、ドアはオートロック式で閉まると自動的に施錠される仕組みのようだ。外から開けるには、その部屋専用の鍵か支配人の持つマスターキーしかない。後、部屋にはトイレが備え付けられているようだ。ちなみに彼女の友人達の部屋は、
青田が201号室、緑川が202号室、黄島が204号室、黒沢が205号室だ。

赤井が発見されたのは７日の朝で、支配人のマスターキーで203号室が解錠され、ベットにうつ伏せで倒れている赤井を友人達と支配人が発見した。赤井は後頭部を強く殴打され殺されていた。部屋の中に争った形跡があった。ベットの近くのテーブルには赤井が吸ったたばこの吸い殻が入った灰皿があり、そこからルミノール反応が検出されたためその灰皿が凶器と思われる。念のため他の部屋の灰皿を探してみると、青田と黒川の部屋の灰皿は綺麗なままで、緑川と黄島の灰皿には吸い殻が残っていた。

友人たちは昨日の出来事についてそれぞれこう証言している。

青田「昨日は午後10時頃から緑川の部屋でみんなで飲んでました。私は11時半頃に自分の部屋に戻り、1階の大浴場へ行きました。その時に黒沢さんも一緒でした。20分くらいした後に部屋に戻り、2時まで読書してから就寝しました。へんな物音はしませんでしたね。あ、そういえば・・・黒沢さんからきれいなネックレスをプレゼントされましたよ。」

緑川「昨日は俺の部屋でみなで酒飲んでたぜぇ。何時まで飲んでたかって？んなもん、黄島のやつに聞いてくれ。俺は忘れちまった。でも、確か俺と黄島で酔っ払った赤井のやつを部屋まで運んでやってベットに仰向けに寝かせてやったよ。部屋の鍵はテーブルに置いたはずだぜ。俺はその後自分の部屋でバタンキューさ。朝までぐっすり眠ってたよ。変なこと？・・・そういえば赤井が昼間してた高そうなネックレスが運んだ時には無かったなぁ・・・どっかにやったんだろ。」

黄島「はい、緑川さんの部屋で飲んでました。始まったのが午後10時頃ですね。そして、午後11時に黒川さんが部屋に戻り、その30分後に青田さんが戻りました。そして12時半過ぎくらいまで飲みましたね。それから、赤井さんを僕と緑川さんで彼女の部屋まで運びました。部屋を出る時、確かにテーブルに203号室の鍵があり、確かに部屋のドアを閉めました。その後、僕は部屋に戻り一服してから大浴場に行きました。そして、その30分後くらいに部屋に戻り寝ましたね。・・・え？ネックレスですか？さぁ、わかりません。どこいっちゃったんでしょうね・・・」

黒沢「私は午後11時に部屋に戻り、１階のお風呂に行きました。その時ばったり青田さんに会いましたね。その後部屋に戻ってベットで寝ました。え？ネックレス！？どどどうして知ってるんですかぁ！え〜とぉ・・・はい、た、確かにお風呂に行く前に青田さんに渡しましたけど・・・べ、別に青田さんが好きだとか、青田さんがお風呂に行くのを見計らってたとかじゃないですからね！勘違いしないで下さい！！・・・え？変なことですか？そうですね・・・みんなで赤井さんを発見したとき黄島さんが慌てて自分の部屋に戻って行きましたね。すぐ帰ってきましたけど。」

1階と2階をつなぐ階段は1つだけであり、監視カメラが設置されていた。
6日の午後10時以降の映像を確認すると・・・

まず、午後11時34分に1階に行く青田と黒沢の姿があり、午後11時56分に青田が2階へ戻り午前0時7分に2階に戻る黒沢の姿があった。次に、午前0時43分に1階へ行く黄島の姿があり午前1時11分に2階に戻る黄島の姿があった。そして、午前8時13分に支配人が2階に来た姿があり、この後に赤井が死体となって発見された。監視カメラに細工はされてなかったので偽物の映像とかでは無いだろう。

赤井が着けていたネックレスはどこにいったのか？どうやって鍵のかかった部屋のドアを開けたのか？誰が赤井を殺害したのか？謎は深まるばかりである