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殺し屋の暇潰し
難易度:★★★
木有恵尊 2011/08/31 21:13 「おっ、目が覚めた。おーい、鳩、こいつ目覚めたぞ」
「うるさいなお前は。少しは場をわきまえろ」 「別に良いだろ、どうせこんな所に人なんか来ないし。……え? お前ら誰だって? 俺はカラス。で、そっちのインテリ気取りが鳩だ」 「インテリ気取りって何だ、インテリ気取りって」 「え? 何で椅子に縛り付けられているのかだって? そりゃお前を殺す為だよ」 「おいおい、こいつ震え出しちまったじゃないか。面倒くさい。だから気絶している間に殺しておけば良かったんだ」 「そしたら依頼主の依頼に反するだろうが。依頼内容は、爪剥いで皿割って指切って鼓膜破って目玉えぐってから殺すんだろ。まじ人使いがわりいよ、あいつ」 「え、どうして殺されなきゃいけないんだ、だって? さあ、それは俺たちも知らない。とにかく、俺らはお前を殺すことを依頼された。だから俺たちはお前を依頼どおりに殺さなければならない」 「……なあ、鳩、今回の仕事、やめちまわないか?」 「はあ? 何でだよ」 「むかつくんだよ、あの依頼主。俺たちを道具のように思いやがって。まじむかつく」 「そんなこと言われてもなあ」 「そうだ、おいあんた。俺が今から出す問題に答えられたら、開放してやるよ」 「おい、何勝手に話を進めているんだよ」 「良いじゃねえか。ばれたら、依頼主を殺せば良いだろ」 「…………」 「よし、じゃあ問題の内容を説明するぞ。問題は、この紙に書かれてある」 尾をなくしたトリは、前をむくことができない。蛾は死にくちて、ツバメは名を無くす。 「……あ? これはどういう意味か、だって? そんなの自分で考えろよ。こんなの赤ちゃんでも出来るぞ」 「お前は俺に答えを教えられるまで、解けなかったじゃないか」 「あれは解けなかった振りをしていただけだ。さあ、お前は解けるかな? 解けなかったら、爪剥がれて皿割られて指切られて鼓膜破られて目玉えぐられて殺される羽目になるぞ」
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