二月のある日曜日の朝

私の名は伊藤真紀（２５歳）
この伊藤家に嫁いで今日で一週間目になります。

「　真紀さん？わたくし、本日より早朝ジョギングを日課にする事にしましたの。
ですから、このわたくしが教えた通り
これから毎朝完璧にお掃除しといて下さいませね？」

この嫌みな・・いえ、この上品な物言いの人物は私の姑です。
家事全般に口うるさい昔人間。
家の中の掃除に関しては特に厳しくて
気の長い私もさすがに気が狂いそうになる事もしばしば・・コ、コホンッ。

とにかく潔癖性とまではいきませんが
彼女は掃除の鬼（婆）と言うことはわかっていただけたかと。

もちろんそんな姑ですから、彼女は昨夜の就寝前にも
しっかりと念入りに家中を掃除をしていました。
だから当然この家の床、壁、天井、窓などにも手垢や汚れなどないはずなのです。
しかも最高級空気清浄機を全室フル回転で空気もいつもクリーンで
埃、塵などもまったく皆無。
この家はまさに無菌状態と言っても私的には過言では無いかも知れません。

そんな家の中を私が掃除をすれば綺麗になるどころか逆に汚してしまう事に。
そんな事になれば姑になにを言われるやら・・くわばらくわばら。
だから私は身を守る策として、姑の言いつけを完全に無視する事にしました。

一時間後・・

何気なく窓の外を見ると、なんと姑が庭の端の方から
こちらを睨んでいるではありませんか。
私は慌てて窓を開け
そこにあったサンダルをひっかけて姑の元へと急ぎました。

「　お、お義母様、なにか不都合な事でも？」

「　ええ。真紀さんあなた・・わたくしの言いつけ守りませんでしたね？」

「　ど、どうしてわかったんですか！？」

その時、しまった！かまをかけられたのかも知れない。
と思いましたが、そうではありませんでした。

「　お言葉ですがお義理母様、ひょっとして出かける振りをして
私の行動をずっと監視してらっしゃったのでは？
それともわざと汚れを残して出かけたとか？？」

「　ふぅ・・まったく真紀さんたらなにを言い出すかと思えば。
わたくしそんなに暇ではありませんよ。
見ての通りたった今ジョギングを終えて帰宅したばかり。
わたくしが真紀さんがお掃除をさぼっていたと気づいた理由は、ほらあれですよ。」

「　え・・？あ、なるほど・・失礼いたしました。（く、悔しいっ）。」

問題）
姑はなぜ真紀が掃除をさぼっていた事がわかったのでしょうか？

別解は多数あるかとは思いますがこちらが用意した事柄と一致で正解！といたします。

☆には一応正解に関わるキーワードを設定していますがあまりお気になさらずに・・。

ヒント　>>72
正解発表　>>111