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難易度:★★★★
![]() ![]() 最初の1人が退場させられると、円卓を囲んでいた彼の椅子もすぐさま片付けられ
4人になった僕たちの頭上からまた放送の声が流れる。 『会話を再開して下さい。』 「…いつまでこんなことやらせんだよ!?」 最年長と見えるひげ面の男が叫んだ。 『予定では最後の一人になるまで続けさせていただくつもりです。では、はじめ。』 しばしの沈黙の後、僕の隣の眼鏡を掛けた男が言った。「めちゃくちゃだ」 「誰だってそう思ってますよ」 僕は頷いた。 「世の中何が起こるか解らないって言うけど、こんな…」 若い神経質そうな女が爪を噛みながら呟く。 「何も、俺たちじゃなくたって良いだろう!?」 またひげ面が叫んだ。 「うるさいな!」眼鏡が怒鳴る。「みんなそう思ってんだよ!」 「よ、よして下さい!」 女が立ち上がり、必死に取り繕った笑顔で取りなした。 「いつまでもこんなことやってられっかよ!!」 眼鏡は頭をかきむしった。ひげ面が僕の方を睨み付ける。 「よぉ兄ちゃん、ずいぶん静かじゃねえか」 「彼は、」眼鏡も冷ややかな視線を僕に向けてくる。 「なるべく余計なことを言わないようにして、私たちが脱落するのを待ってるんです」 釈明しようとしたが、何を言っても火に油を注ぐだけの気がした。 「…すいません」 気づいたのは頭を下げた後だった。血の気が引いていくのが解った。 最初の時と同じブザーが部屋に鳴り響く。 「い、いや!今のは…」 僕はスピーカーに向かって叫んだ。 引きずられながら僕が最後に見たのは、他の3人の同情と安堵の入り交じった笑みだった。 最初の男を見送りながら、自分もあんな顔をしていたのかなと僕は思った。 『はい、会話を再開して下さい。』
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