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 足し算と掛け算の魔力
難易度：★★
 Argentum
2010/11/05 20:32
今回は一見取り組みやすそうな連立方程式の問題。
でも、本当は連立方程式ではなくて、 パズルのような問題だと気づかされる問題です。 
正答のみの方は正解メダル。 考え方を載せてくださった方で合っていれば星メダルを贈呈致します。
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回答募集は終了しました。
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(x,y,z)=(2,3,1) です。
まず、火曜日の場合を考えます。 木曜日より9円安かったのだから、総額は652円です。 バナナ110円、りんご120円、ぶどう130円。 それぞれの10%引きの値段は、 バナナ99円、りんご108円、ぶどう117円。 3つの中から2つを選ぶ組合せは全部で3通り、つまり、（バ,り）（バ,ぶ）（り,ぶ） です。 652の端数、2に注目します。 （バ,り）のとき、考えられる数は（2,3）（2,8）（4,2）（4,7）。 （バ,ぶ）のときは、（1,9）（2,2）（3,5）（4,8）。 （り,ぶ）のときは、（1,2）（2,8）（3,4）（4,6）。 x,y,zの3つの合計が6以上は有り得ないことを考えて計算すると、（バ,り）のときの（2,3）しかないです。 バナナ2房で198円、りんご3個で324円、ぶどう1房で130円、これで総額が652円になります。 数が分かったのですから、後は木曜日を使って答え合わせです。(x,y,z)=(2.3.1)、どれか2つは10%引き、総額661円。 この3つを考慮すると、りんごとぶどうが10%引きのときに全ての条件を満たします。 すなわち、この週の割引セールは、 火曜日がバナナとりんご。 木曜日がりんごとぶどう。 です♪ 
「金はものをいうという。しかし、こちらがいくら呼んでも聞こえない。耳が遠いようだね」
『アダムのユーモア百科』より 
Argentum
着眼点はまさしくその通りです
お見事
答え
x=2, y=3, z=1 説明 バナナ:110円/99円 りんご:120円/108円 ぶどう:130円/117円 まずx+y+zの取りうる範囲を考える。 最も安い割引バナナが99円であるが、99*7=693>661であるため、 x+y+z<7 ... (1) また、最も高い定価ぶどうが130円であるが、130*5=650<661であるため、 x+y+z>5 ... (2) (1),(2)より x+y+z = 6 ... (3) が成立する。 次に、火、木、土に取りうる総額を考える。 99x+108y+130(6-x-y) = 780 - 31x - 22y (4) 99x+120y+117(6-x-y) = 702 - 18x + 3y (5) 110x+108y+117(6-x-y) = 702 - 7x - 9y (6) 上記のうち、(5)は各項が3の倍数であるため、式全体も3の倍数となる。一方、木曜日の総額は661円、火曜日の総額は652円でいずれも3の倍数とならないため、(5)は土曜日の総額であることが確定する。 (4)と(6)のいずれかが火曜日でもう一方が木曜日である。 (4)-(6)は+-9のいずれかになる。 78 - 24x - 13y = +-9 (7) ここで、78も24xも+-9もいずれも3の倍数であるため、yは3の倍数となる。取りうる値は0,3,6のいずれかである。 しかし、y=0を仮定すると、xが整数にならない。また、y=6を仮定すると、x=0となり、これも矛盾する。 よってy=3が確定する。このとき、xが取りうる値はx=2のみであり、z=1となる。
スマートじゃないなぁ。
Argentum
十分、スマートですよ。
お見事
Argentum
力でねじ伏せましたか
 たぶんバナナの数の書き間違えだと思いますので、 惜しいメダルを贈呈します。  
Argentum
正解です。
ただ、かなり端折られてますね 剰余に着目するのは目から鱗ですが、 その最初の４行をもう少し詳細にお願いします
前提として、すべて金額が10円単位で設定されている。
このとき1割引した額は9の倍数になる。 661を9で割ると余りは4 110を9で割ると余りは2 120を9で割ると余りは3 130を9で割ると余りは4 バナナとブドウが割引だと総額が3の倍数になるので661円にならない。よってりんごは割引。 火曜日も木曜日も総額を9で割った余りは4である。 バナナが定価の時 2x≡4 (mod 9) ブドウが定価の時 4z≡4 (mod 9) より x=2+9m y=1+9n だが、どちらも9個以上買うと予算をオーバーするので x=2 z=1 となる。
ではその最初の4行をもう少し詳しく。
Argentum
弱点をうまく突いたような解法ですね。
 鮮やかです。お見事
前提として x=2 z=1 が確定している。
全部で5個だと最高で 130*5=650<661 全部で7個だと最低で 99*7=693>661 よって全部で6個 よって y=3
>>5
を前提にした最速解法はこれか？
Argentum
３点の商品の総数を見積もることができますね。
【解答】
―――――――――――――――――― 商品名 （売値）/（割引価格） ―――――――――――――――――― バナナ１房 110円 / 99 円 りんご１個 120円 / 108 円 ぶどう１パック 130円 / 117 円 ―――――――――――――――――― さて、木曜日（および火曜日）ではバナナ、りんご、ぶどうのうち、 ２種類が割引価格であったので、その組み合わせは 代金総額を表す関数をf(x,y,z)とすれば、 (1)割引がバナナとりんごの場合 (2)割引がりんごとぶどうの場合 (3)割引がぶどうとバナナの場合 について、 f(x,y,z) = 99x + 108y + 130z ・・・(1) f(x,y,z) = 110x + 108y + 117z ・・・(2) f(x,y,z) = 99x + 120y + 117z ・・・(3) の３通りの式がたつ。 次に火曜の総額652円、木曜の総額が661円であることに着目する。 それぞれの値段がある程度近いことから、 全体の個数を次のようにしぼることができる。 最低額のバナナの割引価格で７個買うと693円 最高額のぶどうを通常価格で５個買うと650円となって、 650＜f(x,y,z)＜693 5＜x+y+z＜7 すなわちx,y,z全部で6個となる。 x+y+z = 6 ・・・(4) 次に総額の１の位の端数に注目する。 通常価格では１の位は０であるから、 この値は割引価格後の１の位に左右され、 (4)式からそれぞれを6個まで割引価格で買った場合の合計金額の１の位を表した表を見る。 （例）バナナ２個を割引価格で買った場合 99円×2房=198円 ∴表の値は ８ ―――――――――――――――――― 個数 ｜ バナナ りんご ぶどう ―――――――――――――――――― ×１ ｜ ９ ８ ７ ―――――――――――――――――― ×２ ｜ ８ ６ ４ ―――――――――――――――――― ×３ ｜ ７ ４ １ ―――――――――――――――――― ×４ ｜ ６ ２ ８ ―――――――――――――――――― ×５ ｜ ５ ０ ５ ―――――――――――――――――― ×６ ｜ ４ ８ ２ ―――――――――――――――――― 【i】f(x,y,z) = 99x + 108y + 130z = 661円 の 場合 上表のバナナとりんごを見て各数値を足して合計で１の位が1となるのは、 （バ、り）＝（９，２）、（７，４）、（５，６） ∴(x,y) = (1,4),(3,3),(5,2) このうち(4)式を満たすとき (x,y,z) = (1,4,1) f(x,y,z) = 650 (x,y,z) = (3,3,0) f(x,y,z) = 621 だが 総額661円を満たさない。 【ii】f(x,y,z) = 110x + 108y + 117z = 661円 の 場合 上表のりんごとぶどうを見て各数値を足して合計で１の位が1となるのは、 （り、ぶ）＝（６，５）、（４，７） ∴(y,z) = (2,5),(3,1) このうち(4)式を満たすとき (x,y,z) = (2,3,1) f(x,y,z) = 661 これは総額661円を満たしている。したがって、 (x,y,z) = (2,3,1) は１つの解である。 【iii】f(x,y,z) = 99x + 120y + 117z = 661円 の 場合 上表のぶどうとバナナを見て各数値を足して合計で１の位が1となるのは、 （ぶ、バ）＝（７，４）、（４，７）、（５，６）、（２，９） ∴(z,x) = (1,6),(2,3),(5,4),(6,1) このうち(4)式を満たすとき (x,y,z) = (3,1,2) f(x,y,z) = 651 だが 総額661円を満たさない。 よって木曜日はりんごとぶどうが割引で、(x,y,z) = (2,3,1)である。 このとき火曜日の総額が652円となるのは、バナナとりんごが割引のときで、 99×2 + 108×3 + 130×1 = 652 である。 【答】(x,y,z)=(2,3,1)
さて、この問題がなぜ“足し算と掛け算の魔力”なのかは、
x,y,zを式変形で解くことはできないけれども、 １の位とその倍数に着目することで解けてしまうことに由来するからです。 あえて算数・数学クイズとせずに、 論理クイズとしたのも式を求めるより、 このような裏技的操作で問題が解けることに所以します。 |
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