(1)πが代数的数であるとすると、a=iπのとき
1 + e^(a) = 0 が成り立つので、リンデマン＝ワイエルシュトラスの定理に矛盾する。
よって、πは超越数。


(2) eが代数的数であるとすると、C=-eのとき
C + e = 0が成り立つのでリンデマン＝ワイエルシュトラスの定理に矛盾する。
よって、eは超越数。


(3)cos(α) = (e^(iα)+e^(-iα))/2
αが（0でない）代数的数のとき、cos(α)が代数的数であると仮定すると、
上の式はリンデマン＝ワイエルシュトラスの定理に矛盾する。
よって、cos(α)は超越数。

αが超越数のときは、・・・分かりません。
（場合分け？）


(4)ψは x=cos(x)の解だから、

2ψ-e^(iψ)-e^(-iψ)=0 が成り立つ。

ψが代数的数であると仮定すると、リンデマン＝ワイエルシュトラスの定理に矛盾する。
よって、ψは超越数。

x[n+1]＝cos(x[n])　によって定義された数列{x[n]}の極限を考える。

極限 lim[n→∞]x[n]＝α が存在するとすれば、これはα＝cos(α)　を満たします。視覚的に言えば　y＝x、y＝cosxの2つのグラフの交点のx座標であり、実際にグラフを描いてみると唯一つ交点が存在することが解ります。けれども、どのようにx[0]∈Rを定めても α に収束するという十分条件だとは言えません。

そこで十分条件を言うために、『縮小写像の原理』を考えます。これは関数g(x)が有界閉区間 I から I への関数で、任意のx、y∈I(x ≠ y)に対して|g(x)−g(y)|≦L|x−y|(0≦L＜1)を満たすとき、任意のx[0]∈I　から始めた数列x[n+1]＝g(x[n])は　　α＝g(α)を満たすαに収束する、というもの。

ここで、g(x)＝cosx として、|cos(x)−cos(y)|＝|∫[t:x→y]sint・dt|＝|∫[t:x→y]sint・dt/(x−y)|×|x−y|などと式変形をして、L＝|∫[t:x→y]sint・dt/(x−y)|と置けば、0≦L＜1でありg(x)＝cosx は縮小写像の条件を満たすことが解ります。(←厳密さには欠けているかもしれません。)

これより、A[∞](x) はどのように x∈R を定めても一定の値に収束し、当然ながらそれはA[∞](0)とも同じ値であり、その収束値 α　は、α＝cos(α) を満たす。…ことが言えるのではないかと思います。

『.』は掛け算の意味に使います。

[Lindemann-Weierstrass の定理] で、n＝2,α_0＝0 とすれば、
C_0 + C_1.e^α_1 ＝ 0 を満たす代数的数{C_0, C_1} は、{0, 0} のみ。…�@
有理数は一次方程式の解になるので、代数的数。iも1+x^2＝0の解なので代数的数。
また、代数的数は複素数体上に定義された四則演算に関して、体をなす。

(1)
e が代数的数だとすると、 �@でα_1＝1 とすれば、{C_0, C_1}＝{e, -1} と
自明でない解をもつので、矛盾。

(2)
仮に π が代数的数だとすると、i π も代数的数となる。この時、�@で、
α_1＝iπとすれば、{C_0, C_1}＝{1, 1} と自明でない解をもつので矛盾。
(3)
[Lindemann-Weierstrass の定理] で、n＝3, α_0＝0, α_1＝i α, α_2＝-iα
とすれば、C_0+C_1.e^(iα)+c_2.e^(-iα)＝0 は自明な解を持たないことになる。
仮に cosα が代数的数だとすると、{C_0, C_1, C_2}＝{2cosα, -1,-1} と
自明でない解をもつので矛盾。

(4)
A_0(x)=x としても問題は変わらないので、そのように定める。
x = cos(x) の解を x = b (0＜b＜1)とする。これはA_n(x)=A_(n-1)(x) の解でも
あるので、帰納的に ∀n(≧1), A_n(b) = b …�@ が成り立つ。

0≦a＜b については閉区間[a,b]で、b＜a≦1 については閉区間[b,a] でそれぞれ
平均値の定理を用いれば、
|cos(b)-cos(a)|/|b-a|=|sin(c)|＜sin(π/3)＝√3/2 ＜0.9 なる c が
前者の場合は開区間(a,b)に、後者の場合は開区間(b,a)に存在する。

�@と合わせて、任意の a (0≦a≦1) , n (n≧1)について、
|b-A_n(a)| ＜ 0.9 |b-A_(n-1)(a)| 、即ち |b-A_n(a)|＜0.9^n|b-a|＜0.9^n

つまり、任意の正数εに対して、N＞lnε/ln(9/10) とすれば、
|b-A_N(x)| ＜ 0.9^N ＜ ε
となるので、y＝A_n[x] は 定数関数y＝b （＝Ψとする）に絶対収束することがわかる。
よって、(a)は示された。　ちなみに (b) x=cos(x) の解(値は大体0.739)

仮に、Ψ が代数的数であるとするなら、(b)より、cos(Ψ)も代数的数であるが、
これは(3)に矛盾する。

No.2の回答ですが、L＝|∫[t:x→y]sint・dt/(x−y)|＜1 とかこんな言い方したら駄目ですね(^_^;)
任意の点で |g'(x)|＜1　であればスッキリ書けるのですが、|g'(x)|＝1 となってしまう点があるので、少し証明に戸惑いました。ということで、ちょっと書き直したものを下記に。

関数 g(x)＝cos(x)　は実数全体から区間[−1,1]への写像ですから、この閉区間[−1,1]以外のところで不動点を持たないことは自明なので、定義域を設定してしまって、関数 g(x)＝cos(x)(−1≦ x ≦1)が縮小写像であると示す、ことを考えます。

x、y∈[−1,1]　であれば、平均値の定理により、|cos(x)−cos(y)|＝|∫[t:x→y]sint・dt|≦sin(1)・|x−y|　が成立しますから、ここでリプシッツ定数をL＝sin(1)　と定めることが出来て、これは0≦L＜1　を満たしますので、g(x)＝cos(x)(−1≦ x ≦1)　は縮小写像であると言えます。…とか、こんな感じで証明すれば多分大丈夫だと思います(´ ρ `;)