〜〜オープニング〜〜

一二三　「うーむむむ。こうも簡単に解かれるとは・・・・・・。」
鳥川　　「簡単、簡単。串坂もすぐに分かったよな。」
串坂　　「も、もちろん。楽勝だよ・・・。」


俺は鳥川がレシートに書いた回答をじっくりと読んだ。
そ、そうだったのか。まさか、こんなトリックが潜んでいたとは・・・・。
ところでコマーって誰だ。
だが、そんなことはどうでもいい。俺は脳内にいるコマーを脳内から叩き出す。
_{「あーーれーーーー。」}

コマーが悲鳴を上げる。もう気にしないことにしよう。
「ところで一二三さん。友人会社って本当に何なんですか？」
一二三さんがごそごそと戸棚から何かを取り出そうとする。
「それについてはこの問題を・・・・。」
「Nice try!!」（その手は食わないよ！！）
鳥川が英語でつっこみをした。間一髪・・・。
これでドラクエのような
「はい」と言わないとストーリーが進まない展開にならずに済んだ。
「しょうがないなあ・・・・・。簡単に説明するとだねえ・・・・。」
そう言うと次は本棚からとても分厚く、大きな名刺帳をとりだした。
縦１メートルはあるだろうか。厚さは大体３０センチもある。
まるで映画にでも出てくる呪文帳みたいだ。
ただ、表紙に「名刺帳！！」と書いてあるので何とか名刺帳と判断できた。
「この名刺帳には僕が記憶喪失する前、つまりそれまでの友達の名刺があるようなんだ。
まあ・・・・。コレのおかげで自分の一人暮らししている場所もわかったんだよ。
でもなぜか肝心の自分の名前が書いてないんだけどね。
おっと、話を戻そう。
実を言うとこの名刺帳には数千人の友達の顔写真から住所、電話先、家族構成まで書いてある。
そして恐ろしいことにその数千人の友達の弱みまで書いてあるんだ。」
一二三さんがそう言いながら名刺帳をめくった。
一ページ１０人は載っているだろう。本当にありとあらゆることが書いてある。
たとえば、「葵　明雄」・・・・３６股まで成功したが一日で全員から振られた　とか。
「鈴木　明則」・・・・都会の野原でコオロギを見つけたと思い、深夜近くまで虫をとっていたが
　　　　　　　　　　　　朝に虫取りかごを見ると、全部ゴキブリだった　とか。
本当に誰にも教えられない弱みだ。この人にだけは弱みを握られないようにしよう。
「でも一二三さん。
　だから、何で友人会社なんですか？」
鳥川がここぞと聞いた。なんだか今日の鳥川は冴えてるぞ！！
「まだまだだねえ。
　この名刺手帳にはありとあらゆる職業の人のデータが入っていると考えてもいい。
　どうしても手伝ってほしい仕事が入った時にその人を呼び出せば
　仕事を完了できるって寸法さ。
　まー秘密を言いふらさない代わりに手伝ってもらうんだからギブ・アンド・テイクだ。
　情報は社会の最大の武器だねえ。」
　「お主も悪よのう・・・・・ははははははっはーーー！！」
鳥川が一二三さんに合わせて悪代官になった。
なんていうかこれじゃあ「悪友会社」じゃないか。
（もちろん悪友とは一二三さんであることは察しがつくだろう）
でも一番気になるのは一二三さんの過去だ。
おそろしい裏の世界の匂いがぷんぷんする。記憶が戻ったら戻ったで大変なことになるかもしれないな。
「あ、そうだ！！
　この問題が解けなかったら仕事の依頼者を見つけてきてくれ。」
「っぶ！！！」
鳥川がお代わりしたコーラを吹き出した。
「急にびっくりさせないでくれ！！
　ていうか一二三さんを手伝う義理チョコも人参も・・・」
「はーい！！もんだーーーい！！」
無視した！いや、それよりも仕事だって！がんばって解かなければ！
そして鳥川、それをいうなら「手伝う義理も人情もない」だ。チョコとニンジンはまったく関係ない。
「問題を提示しまーす！！じゃじゃーーん！！」

ある日、Ｆさんは友達のJさんと３Ｄ映画を見に行きました。
３Ｄ映画って皆さんも知ってますよね。あのメガネをつけて３Ｄで視聴するハイテク映画です。
ところがＪさんは視聴中にめがねをはずしてしまいました。
なぜでしょう？？

どうやらこうなることを予測して創っておいたみたいだ。
でもこの答えって一体何なんだ・・・・。
僕と鳥川は一生懸命に考えた。そして何と奇跡的に・・・・・・・・

まったく分からなかった。

「さて、この問題の答えはなんだろうか？？
　君たちにはわかるかな？？」
「一二三さん。誰に話しかけているんですか・・・・。」