このクイズのヒント
-
ヒント知らないよ
このクイズの参加者(7人)
広告
広告
広告
広告
広告
クイズ大陸関連書籍
|
『ヘンゼルとグレーテル』(闇編)解答
難易度:★
そうそう 2010/08/04 17:05 「お兄ちゃん、もういいよ…私を降ろして…」
「何言ってるんだ!もうすぐ、もうすぐ帰れるからな…!」 …日の光さえ届かぬような、深くて暗い森の中。3日3晩さまよったボクらの命は、風前の灯だった。 ボクの名前は、ヘンゼル。一緒にいるのは、妹のグレーテルだ。 ボクと妹、父と母と、4人で森の外れの一軒家で暮らしていた。 家は貧しく、母は意地悪だけど、父はボク達を庇ってくれたし、妹と力を合わせて、なんとか日々を送っていた。 ある日。昼ごろになって、父が急に「森へピクニックに行こうか」と言い出した。 見え透いた嘘だ。父の魂胆は分かっている。いや、父ではない、背後にいる母親の魂胆だ。 母はいつも「産まなきゃよかった」が口ぐせで、ボクや妹に暴力をふるっていた。 ボクが妹を庇うと、より酷い仕打ちを奮うのだ。 …ここ最近の飢饉で、口減らしに子供を捨てる親も増えている。 「森の魔女が子供たちをさらっていく」 「魔女の家はお菓子の家で、子供たちは勝手に家出して、そこで平和に暮らしている」 大人たちの、勝手な言い訳だ。本当のことは、ある程度大きな子供は分かっている。 (グレーテルは信じているみたいだが) とうとう、ボクたちもその対象となったわけだ。 …ずいぶん、狭い道を通るな。前に森に来た時は、もっと通りやすかったけど… まあ、簡単に捨てられるつもりはない。森へ入る途中途中に、お昼ごはん用のパンをちぎって撒いてきた。 これを辿れば、家に帰るのは難しくはない。 …はずだった。父が「薪を取ってくる」と言って立ち去った後、こっそり後をつけたところまでは良かった。 見失わないように必死で追いかけたが、森に慣れた父親の足には敵わない。 結局、途中で撒かれてしまった。目印のパンを探してみると… まったく、見当たらない!鳥に食べられてしまったのか? こんなことなら、河原で白い石でも拾っておくべきだった。 それから、3日3晩。同じ所をグルグル回っているような気がする。 空腹も限界だ。こんなことなら、あのパン、食べときゃよかった… とうとう、空腹に耐えかねて、そこらに生えてるキノコや木の実に手を出してしまった。 …これがまたいけなかった。眩暈はするし、吐き気もする。 グレーテルは、もうまったく立てなくなってしまった。 目が霞む…もう、どこを進んでいるのかもわからない。 足に草や枝が絡みつく。獣道ではなく、道なき道を進んでいるようだ。 …もう、痛みの感覚すらない。だんだん、どうでもよくなってきた。 世界がぐにゃぐにゃ歪み始める。…ああ、もう、死んじゃうのかな? …突然、視界が開けた。 月夜に、家が照らされている。あれは…? 「あ…お兄ちゃん…えへへ、お菓子の家だぁ…♪」 お菓子の家?妹を降ろして、霞む目をこすって良く見てみる。 ぼんやりとした視界に映ったのは、お菓子やレープクーヘン(ジンジャーブレッド)でかたどられた、お菓子の家だった。 「えへへ…クッキーに、ビスケット。花壇にはタルトもあるや。地面はガトーショコラだし…わぁ、よだれが出てきたぁ」 グレーテルは、呆けた顔をしながら、家に近づいていく。 ふと、家の中から肉を焼くようないい香りがしてきた。「うわぁ…お菓子も良いけど、ごちそう、食べたいなぁ…」 グレーテルは、無防備に家の中に入って行こうとする。 「待て…!ここがお菓子の家なら、魔女が…!」 慌てて、妹を追いかける。 家の中に入ると、そこには… 魔女が、いた。 「いやぁあぁあぁあ!」妹の悲鳴が響き渡る。 「助けて、助けて! 近寄らないで!」 悲鳴を上げるグレーテル。ふらつきながらも、妹を守ろうと、ボクは魔女の元へと向かう。 「おまえたち、どうやってここへ…?まぁいい。弱っているようだし、かまどにくべてしまえばいいさ!」 魔女は恐ろしい形相をしていた。いやだ、怖い、怖いよ…! 妹を守らなきゃいけないのに。なぜか、力が入らない。空腹や、キノコで弱っていたせいもあったかもしれない。 ボクは、魔女に引きずられるまま、かまどへと近づいて行った。 その時だった。 グレーテルが、魔女へと体当たりをした。 「…お兄ちゃんに、手をだすなぁあぁあ!」 不意を打たれたのだろう。魔女はよろけ、バランスを崩してかまどへと転がり込んだ。 「ぎゃああああああ!」 魔女の悲鳴が響き渡る。 魔女は必死にかまどからはい出そうとする。 僕とグレーテルは力を合わせ、魔女を火かき棒で押し込み、かまどの蓋を閉めた。 …魔女の断末魔が聞こえる。ボク達は力尽き、意識を失った。 ----------------------------------------------- 「…あれ?ここは…」 見慣れた、天井。ここは…。 「起きたか、ヘンゼル。ずいぶんうなされてたぞ」 「…グレーテルは!?魔女は、魔女はどうなったの?」 「…魔女? 何を言ってるんだ。 お前たちは森の外れに倒れていたんだぞ。 薪を捕りに行って、元の場所に戻ったら、お前たちがいない。 私もずいぶん、探したんだぞ。でも無事でよかった…」 …あれは、夢だったんだろうか? ----------------------------------------------- さて、この物語には、ある真実が隠されています。それは、魔女の家の正体に関わることです。 それを表す言葉を、漢字2文字でお答え下さい。なお、文中より一文字ずつ抜出し可能です。 父が、ヘンゼルたちを迷わせるために取った手段は?(自由回答形式) いろいろと推理することがあると思いますので、かってに君の設定に関わらず、自由に 投稿してもらったほうがいいかも。 「ヘンゼルとグレーテルの甘いお話」(明るい系 明日解答オープン予定) http://quiz-tairiku.com/q.cgi?mode=view&no=12479 『人魚姫は笑わない』(感想募集中:ダーク系) http://quiz-tairiku.com/q.cgi?mode=view&no=12423 『〜○○売りの少女〜』(感想募集中:ダーク系) もよろしくお願いします! http://quiz-tairiku.com/q.cgi?mode=view&no=12327
|