ヒミツ

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１回目に裏が出る確率は 1/2, ２回目に裏が出る確率は (1-1/2)×1/2 = 1/2^2,
３回目に裏が出る確率は (1-1/2)^2×1/2 = 1/2^3, ...
であるので，n 回目に裏が出る確率 P(n) は P(n) = 1/2^n である．
また，n 回以上連続して表が出る確率も P(n) である．

(1) 1 回のゲームで 100 点以上獲得するには 2^6 = 64, 2^7 = 128 であるから，
７回以上表が連続すればよい．その確率は P(7) = 1/128 である．

(2) 1 回のゲームで得る賞金の期待値は
　　Σ[n=1〜∞] P(n) 2^(n-1) = Σ[n=1〜∞] 1/2 = ∞.
よって，１ゲームに 100 点使っても，期待値は無限大である．

------ 以上，解答 (計算するまでもないですね) ------

(★) 期待値は無限大ですので，その意味では A さんに不利ではありません．
ただし，「破産 (ゲームに参加するだけの 100 ポイントがなくなってしまう)」と
「時間と手間に見合うか」という２つの問題があります．

破産の問題
￣￣￣￣￣
これぐらい簡単な状況ならば，持ちポイント m があるときの t ゲーム目での破産確率
を m, t の式で出すことができるかも知れません．しかし，いろいろ面倒ですので，実
際にはやる気になりません．そこで，考える代わりに計算機内実験を行ってみました．

元が１万点あり，２万点を越えるまで勝負を続けることを 10 万人に実行させます．

その結果，２万点を越えた人は 564 人だけで，残りの 99,436 人は，２万点に一度も達
せずに破産してしまいました．破産率は実に 99.4% です．ただし，100 万点を越えた人
は 10 人おり，最高は 210 万点位 (表を 21 回連続して出す) です．

破産せずに持ち点を倍増した 564 人のうち，546 人が 100 回以内に表を多数回連続して
２万点以上を獲得していますので，初期持ち点の影響が大きいことも分かります．

そこで，元を 10 万点とし，20 万点を越えるまでの勝負を 10 万人に実行させます．

その結果，20 万点を越えた人は 589 人だけで，破産率はほとんど変化せず 99.4% です．
成功した人のうち 556 人が，持ち点だけでできる 1000 回以内に倍増を達成しています．
100 倍の 1000 万点を越えた人は 9 人で，最高点は 3360 万点位 (表を 25 回連続) です．

破産せず，元の 100 倍にできるのが１万人に１人程度ですから，宝くじの方がマシかも
知れないようです．

時間と手間の問題 (資産が無尽蔵にあり，破産がない場合)
￣￣￣￣￣￣￣￣
期待値無限大といっても，本当に無限大となるには無限回のゲーム実行が前提です．
無限の時間と労力をかければ，それに見合う無限の報酬を得ることは当然ですから，
期待値が無限大といって喜んではいられません．また，時間的制限やかけられる労力
の上限も考慮しなければなりません．

(1) １回のトスに休憩時間を入れて平均５秒かかり，１日の営業時間８時間，ずっとトス
を繰り返すと，その日の終わりまでに約 6000 回トスができる．したがって，そこで止め
ざるを得ないから，途中で終わった場合はもう一回表が出た賞金を貰うことにすると，
期待値も無限大までは行かず，
　　(Σ[n=1〜6000] P(n) 2^(n-1))/2 = 1500
位である．これでも１ゲームの期待値は 1500 - 100 = 1400 と十分に大きいといえます．
ただし，期待値は依然として大きいですが，ビッグマネーじゃないや，ビッグポイントを
もらえるチャンスは本当にあるか，検討しなければなりません．

(2) そこで，コイントスゲームを生涯の仕事として，１日 6000 回を１年 200 日 45 年間続け
たとしましょう．すると，約 5000 万回トスができることになります．このような人が１万
人いて，そのうちの誰か１人が一生の内一回現実的に出せる表の連続は，2^39 ≒ 5500 億より，
うまくいって 40 回位です．つまり期待値は実質的に
　　Σ[n=1〜40] P(n) 2^(n-1) = 20
で，１ゲームへの期待値は 20 - 100 = -80 とひどく不利になります．また，41 回目に裏が
出たときの賞金を参加者１万人で分けると，一人当たり約１億円です．生涯賃金として少な
すぎる気がしますし，１億円貰えるのは幸運なケースです．ただし，参加者が１億人になって
も，生涯賃金は似たようなものです．

結論
￣￣
私が大金持ち (大ポイント持ち) で，実際のコイントスの代わりに，高速コンピュータで，
１秒間に 10 億回ほどコイントスを実行してくれるなら，期待値無限大に近いのでゲームに
乗ります．そうでなければ，乗りません．

(1)利益が出る＝100ポイント以上貰えるのは<br>2^(n-1)≧100だからn≧8のとき。<br>つまり最低7回連続で表を出して、8回目以降に裏を初めて出せばよい。<br>求める確率は七回目まで表を出す確率だから、<br>(1/2)^7=1/128<br><br>(2)n回目に試行を終える確率は<br>n-1回目まで表で、n回目で初めて裏を出す確率だから<br>(1/2)^(n-1)*(1/2)=(1/2)^nである。<br>このとき得られるポイントは2^(n-1)だから<br>得られるポイントの期待値は<br>Σ[n=1...∞]{2^(n-1)}*(1/2)^n<br>=Σ[n=1...∞](1/2)<br>=∞<br>したがって100ポイント支払っても期待値は∞<br><br>この問題と関連して、興味深い話が載っていたページです。<br>http://www.ice.nuie.nagoya-u.ac.jp/~h003149b/lang/StPetersburg.html

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