「１ヶ月で10kg痩せられる」というコピーでダイエットをしたい人のために設けられたスポーツクラブのインストラクター・北島弘志は以前からかなりあくどい商売をしていて中谷探偵の知り合いも被害にあったということで、中谷探偵はとあるバーで内密に鬼瓦警部にこの話をして、２人でこのクラブの入会希望者ということで北島のスポーツクラブを訪れるということを決めました。そのバーでは北島と北島に好意を持っていた、田山庸子と宮崎翠がダーツをしていました。

翌日の午後３時、中谷探偵と鬼瓦警部は早速、北島のスポーツクラブを訪れました。入会金など50万かかるということから、とりあえずジムを見学するということにしました。昨日、北島とダーツをしていた庸子と翠もこのクラブの会員で、ジムでトレーニングをしていました。

その翌日、北島はスポーツクラブの応接室で何者かに殺害されました。中谷探偵が殺害現場に着いたのは午前11時頃。現場はかなり争った形跡がありました。凶器は鉄アレイですが、指紋は検出されていません。鑑識の報告によると死亡推定時刻はこの日の午前８時から９時頃。床には別室のジムの壁にかかっていたアナログ時計が落ちており、時計のガラスも散乱していて時刻は８時をさして止まっていました。北島の死体を見ると北島が首にかけていたストップウォッチが動いていました。どうやら、犯人ともみ合っているうちに作動した模様。ストップウォッチを見ると作動してから２時間経過していることから犯行時間は午前９時に間違いありません。しかし、応接室には陶器の絵皿の置時計があったにもかかわらず、その時計は現在の時刻をさして普通に動いていました。

鬼瓦警部は、「８時にアリバイがあり、９時にアリバイのない人物」を探すため、必死に聞き込みをしたところ、容疑者は庸子と翠に絞られました。２人とも北島に動機があり、鬼瓦警部から電話でそのことを自分の事務所で聞いた中谷探偵は至急ここに来るように言って電話を切り、そして秘書の香に家庭用の体重計を用意するように言いました。

容疑者の２人と鬼瓦警部が事務所に到着後、中谷探偵は庸子と翠に体重を計らせれば犯人はわかると言いました。２人に対し中谷探偵は１ヵ月間に何kg痩せたかを質問し、翠は３kg、庸子は５kgと答えました。まず翠が体重計に乗り、ちょっとかかんで目盛りを見ると45kgで、次に庸子も乗り、目盛りを見たところ54kgでした。その様子を見て中谷探偵は案の定、犯人が誰かわかったようです。
犯人は誰か？　そして中谷探偵の推理の決め手とは？


ヒント
一度、落とすと見つけるのが大変！