さて、前回はオマケストーリーなので出題の間隔が狭いんですが、探検隊シリーズです。
ところでK君はというと、風邪を患ったと言っているので、今回は非番です。

ここはY君が住む町。至る所に謎がある。
最近、Y君の学校ではある館の話題があちこちで出ていて、話によるとそこを訪れたものは帰ってこれないのだという。
そんな噂を行動派のRが聞き逃す訳もなく、例のとおり今その館の前にいるのだ。
俺的には怖いので猛反対したのだが、歯向かえる訳がない。

R「ここが例の館か・・・。ん？何か書いてあるけど読めねぇな。」
S「辛うじて読めるのが『〜〜の館』ぐらいだね。」
Y「絶対そーゆーの怪しいって！帰ろうよ！！帰れなくなっちゃうんでしょ！？」
R「うるせぇ！」
というのと同時・・・いやもっと早かったかもしれないが、Rに突き飛ばされた。
Y「痛たたた・・・。いきなり飛ばすことねぇだろ！？ってあれ？2人ともどこ行った？」
S「おーい！こっちこっち〜！」
と館の門の向こう側から声がする。
隊長という義理があるので抜け駆けは出来ないからとりあえず走って追いかけた。
いつだかの洋館じゃないけど、これまた大きな扉があった。

ギッ・・・ギッ・・・ギィィィ

やはり古い蝶番があけにくさを倍増している。ただでさえ重い扉なのに・・・。

「ケホッ、ケホッ・・・」ハウスダストアレルギーのSが辛そうだ。
ここまで埃がたまってるとアレルギーじゃなくてものどに来る。
今回はちゃんと懐中電灯を持ってきたし、一応蝋燭も持ってきた。
少し歩くと廊下に出た。道が入り組んでいて、迷路のようである。
所々に案内板のような板があるが案の定読めなくなっていた。

Y「あ、あのさぁ・・・トイレに行きたいんだけど・・・。」
S「こんなところじゃ水も流れないだろうけど、漏らすよりはマシだからね。探そうか。」
R「まったく・・・。（って実は俺も行きたかったんだけど。）」
と振り返り一歩踏み出したそのときだった。
「グニャ」という鈍い音に驚き足元を見ると、一体の死体が横たわっていた。
これにはRも驚いたようで、みんなで懐中電灯を放り投げ、どこへ行く当てもなくひたすら走っていった。
途中何回も壁に顔をぶつけたが、そんなことはどうでもよかった。
しばらく走っていると、ふと気がついた。
Y「ねぇ、ここどこ？」
といい、持ってきた蝋燭に火をつけた。蝋燭の炎があたりを照らす。
どうやら広いホールのような場所のようだ。しかし、もう出口はわからない。
ここで腹を空かせてさっきのような死体になってしまうのだろうか・・・。

成す術の無い空しさと、空腹からか悲しくなって、気付けば涙を流していた。
S「ちょっと蝋燭借りるね。」
と言い、あたりを見回し始めた。
はぁ、こんなにも悲しい気持ちになったのはいつ以来だろうか。
そんなことを考えているうちにさらに悲しくなっていた。
S「ねぇ、ちょっと来て！」
どうせくだらない暗号か何かでも見つけたんだろう。思考さえもがマイナスになっていた。
やることもないしつまらないので行ってみると、そこには壁に文字のようなものが書かれていた。
よく見ると、見慣れた漢字やひらがなが書かれている。
所々掠れているが、読んでみた。

我が館を　らす　は、なんびと　りとも許　は　ない。
この　の　口は、　字の示す部屋に　る。

Y「2行目の「口」って何だろう？」
S「もしかして「出口」だったりして・・・！」
R「おい、こっちにも書いてあるぞ！」
今度はどういうわけかまったく掠れていなかった。他と材質が違うのだろうか？

この部屋から、小さな部屋への道は10本ある。
10の部屋に出口はある。

どうやらこのホールと10個の部屋というつくり自体がヒントになっているようだ。

どうやら、一番左から

自鳴琴の部屋
伊達男の部屋
避球の部屋
酔客の部屋
木乃伊の部屋
口風琴の部屋
鬱金果の部屋
謝肉祭の部屋
水兵服の部屋
火斗の部屋

らしい。

R「おい、S・・・。」
S「もう分かってるよ！ここと部屋数が同じ部屋に行けばいいんだよ。」
S「だから、出口があるのはこの部屋だ。」

Y「あっ、あれ扉・・・？」

ギィィィ・・・

Y「あっ！外だ！！出られたんだ！！」
しかし、外はもう夜。もちろん帰ったらお説教の時間です☆

母「こんな時間まで何をしとったんじゃーー！！！」

子 「ひぃぃぃ」


さてさて、出口がある部屋とはどこだったのでしょうか？