俺の名前は望月　光。高校三年の野球部キャプテンだ。
お前は問題、『どうしてわかったんだ？！』と『完璧復讐劇』をやってくれたか？
俺はかの有名な犬谷先輩、いや、犬谷のやろうのせいでこの二年間たいへんな目に
あったんだ！まあ、犬谷は卒業してもういないがな。俺はキャプテンになってから
真面目になって甲子園出場が決まり、今まちあわせの駅に向かっているところだ。
そして、あの事件が起きた・・・。
俺が歩道を歩いていた時、うしろからくぐもった男の声が聞こえた。
ふりかえると、ニット帽にサングラス、マスクといかにも怪しい男がいたんだ。
右手にはコンビニ袋が握られていた。
「え、なにか用ですか？」
すると、袋の中に左手をつっこんで大きめのナイフを取り出した。
「お前のそのカバン・・・くれよ」
ははん。泥棒ってわけだな。俺の学校、明陽学校の野球カバンはあの有名なアニメ、
『ダッチ』の元になっている。だからファンが血眼になって盗ろうとする。
俺はナイフを蹴っ飛ばした。
「う、うあぁ」
男は叫ぶと路地裏へ逃げていった。
「まちやがれ！」
俺は男の後を追いかけた。いや、別になにも盗まれていないから追いかける必要は
なかったんだけど・・・。
途中、マスクやサングラスが捨てられていた。
路地裏を抜けると近くに公園があった。
俺はさっそく公園に入って泥棒をさがすことにした。（いや、別になにも盗まれて
いないんだけど・・・）
入り口を抜けると近くのベンチに３０ぐらいの男が座っていた。
「すいません、変な男をみかけましたか」
男は眼鏡をハンカチで拭いたあと
「いや、みていないなぁ」
と、言った。
「そうですか・・・。そのコンビニ袋は？」
「これか？さっきコンビニで買い物をしたんだ」
「へえ。なにを買ったんですか？」
「ええと・・・たばこ用のライター、朝刊、昼飯ようのカップラーメンだけど・・・」
「そうですか・・・」
情報はなしということか。
「今、何時ですか？」
男は右腕につけられている高級そうな腕時計を見た。
「９時５０分だが」
やば！集合時間は１０時。
「ありがとうございました」
俺がそう言うと男が呼び止めた。
「待ちなさいキミ。変な男だっけ？実は見たんだ」
「本当ですか？」
「ああ。私がベンチによりかかって寝ようとした時、息を荒くした男が入ってきたんだ。
ギョッ、として見ていたらその男はニット帽をとって右手に持っていた袋にそれを入れて近くのゴミ箱に捨てたあとあのビルの方に走っていったぞ」
ゴミ箱の中を見ると確かに捨てられていた。
「ありがとうございます！！」
そう言ってビルの方へ走ろうとしたとき、ピーンときた。
「おじさん。あなたが犯人ですね」
その後、俺は泥棒（いや、別になにも盗まれていないんだけど）を交番に連れて行った。
さあ、どうして泥棒だと分かったか。お前は分かるかい？
　　　オマケ　泥棒のせいで俺は遅刻をしてＯＢとして来ていた
　　　犬谷先輩に殴られた。ああ、ちくしょう！！！