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オルゴールが多すぎる (黒部探偵事務所シリーズ)
難易度:★★★
Submarin 2007/09/03 20:33 前題は
http://quiz-tairiku.com/q.cgi?mode=view&no=4640 ですが、全く別の問題です。 その依頼が持ち込まれたのは、11月もだいぶ遅くなってきたころだった。 北風が寒くなってきたその日ウチの事務所にやってきたのは、50歳を超えたと思われる白髪の紳士だった。 「私はこういうものでして」 受け取った名刺には中山とあって、弁護士だと分かった。 そのまま所長に取り次ぐと、彼は話し始めた。 「依頼というのは、私が顧問弁護士をさせていただいていた、勝原氏の邸宅の権利書を探していただきたいということなんです。」 「勝原氏というと…」 「半年ほど前に87歳で亡くなった、玩具の中堅メーカーの社長の方です。」 「ああ、あの人ね。亡くなったときにニュースでやってたわ。…権利書というと、遺言がらみで何か問題でも? 」 所長は身を乗り出す。世間様には申し訳ないのだが、所長はこういうドロドロとした事件が好きなのだ。僕も正直困っている。 「いえ、遺言の問題ではないのです。」 「は、はぁ。」 「氏は個人的にオルゴールを集めておりまして、その数もかなりの数に上ります。 死後は邸宅を改装して博物館にし、それを展示するようにとの遺言でした。 その博物館はとある財団に寄贈されることになっていたのですが、博物館化の家の改装工事が始まってから邸宅の権利書をもっている方の所に行くと、勝原氏本人が亡くなる前に取りに来て、それきり返してもらっていないというのです。」 「…うーん、それで何か手がかりは? 」 「手がかりになりそうなのは、この方がもっていた勝原氏の書付です。弁護士が来たら渡せといわれていたそうです。 本人の直筆であることは確認したのですが、私たち弁護士には皆目何が書いてあるか見当がつきませんで…」 そして中山という弁護士は、一枚の便箋を手渡した。 筆書きの細い字で、次のように書いてあった。 らへろゐゑはへ、らをゐほちへゆへよにつきのんえゐそめゆろね、ひたをゐをきるろゐねすいりつ、たちをきはゐそちめそりゐへへふらのんをあるかき。 「財団への譲渡までに権利書を見つけないとトラブルになります。なんとか見つけられないでしょうか? 私たちとしては邸内にたくさんあるオルゴールのどれかの中だと踏んでいるのですが、調べるにはオルゴールが多すぎます。」 しばらく紙とにらめっこしていた所長は言った。 「ひとつ伺いたいのですが、勝原氏は屋敷の改装について何か言ってなかったですか? 」 「はい。屋敷は二階建てなのですが、当面は1階部分だけを博物館として開放するようにとのことでした。」 「なるほど、ね」 さて、権利書はどこにあるのだろう?
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