このクイズのヒント
-
ヒント知らないよ
このクイズの参加者(10人)
広告
広告
クイズ大陸関連書籍
|
水没したはずのデータ
難易度:★★
Submarin 2007/08/30 02:24 「あーあ、暑くてやんなっちゃうわよね〜」
と愚痴るのは、ウチの探偵事務所の所長、黒部明子(年齢不詳)。 昔警察で働いていたらしいけど、何かあってウチの事務所を開いた人だ。 僕はここで探偵の見習いとして働いている。いずれは独立開業したいけど、 もう一人働いていた先輩探偵が辞めてしまってからは この所長にいいように使われていて、なかなか探偵仕事はさせてもらえない。 「何か飲みます? 」 「そうね。コーヒーは飲み飽きたから、何かジュースでも買ってきて。」 「…(外で買って来いって事か)」 ここで言い争ってもしょうがないことはよく分かっているので、僕は下階のコンビニまで買物に行った。 「買ってきました。」 「ありがと。…あら、コーラ?」 「そうですけど。キライでしたっけ?」 「いや、そうじゃないんだけど。昔、こんな暑い夏に『これ』に関わった事件があってね。」 「どんな事件だったんですか? 」 興味に駆られた僕は聞いた。 「事件っていっても、証人の保護の話なんだけど」 先輩は語りだす。 「その証人は大阪の人で、ある組織犯罪の証拠になるパソコンのデータ…15ギガくらいの…を奪い取って持っていたんだけど、警察と連絡が取れて保護する前に、それを取り戻そうとする組織の関東の連中に捕まっちゃったのよ。」 「それで。」 「データの性質上、組織はそれを取り返さないと安心できなかったんだけど、彼はなかなか口を割らないで、自分を解放しないとデータは消えるぞ、って言い続けたらしいわ。時限装置が仕掛けてあるって。」 「時限装置って、その人、爆弾でも持ってたんですか?」 「民間人よ。そんなわけないでしょ。 時限装置と言っても、カンタンなものよ。 コーラの中に重曹をつめた水溶性カプセルをいれて、軽く蓋をしておくだけ。」 「重曹をつめたカプセル? それで時限装置になるんですか? 」 「重曹は炭酸飲料に溶けると、溶解した二酸化炭素をほとんど気化させるの。重曹自体が酸と反応して二酸化炭素を出すしね。覚えときなさい。」 (筆者注*これを試してみたいと思う読者がおられると思いますが、重曹が少量でも極めて大量の泡が出ますので、濡れても心配のないところで行ってください) 「はあ…それで。」 「それをノートパソコンのキーボードの縁にでもおいておくと、カプセルが溶けるまでに取り除けなかったら、コーラの泡がぶしゅーっと吹き出して、キーボードから水没してパソコンはお釈迦って訳。最も、発見さえすれば誰でも止められるけど、そんなことは組織にわからないし。」 「それで、その証人は解放されたんですか? 」 「ううん。結局拷問されたらしくて、とうとうしゃべったんだけど、組織の連中が発見したときには時限装置が働いた後だった。ノートパソコンが載ってたテーブルは、パソコンごと完全に水びたしだったそうよ。」 「すると、そのノートパソコンはだめになったんですね。」 「組織の連中が繋がっていたケーブルを全部引っこ抜いて、濡れたパソコンごとのを持ち帰って調べたそうだけど、復活させられなかったらしいわ。それが判ったから解放されたってその証人は言ってた。」 「惜しかったですね。そのデータがないとその組織を壊滅させられないんでしょ。」 「あら、したわよ。」 「え!?」 「証人さんはその足で警察にきて、データを渡してくれたわ。」 「どうしてです。」 「最近のパソコンは便利になったってことよ。ちなみに、時限装置が働いた時点では確かにパソコンからその証拠データは読める状態になっていたわ。」 「分かった。どこかにバックアップが取ってあったんですね。」 「15ギガバイトよ。そうそうコピーできないわ。その証人も盗んだままでコピーはしてないって言ってたし。…それに、組織の連中も連絡不足だったみたいね。」 さて、証人はどうやってデータを守ったのでしょう。
|