ヒミツ

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トラックを蹴飛ばす程の巨大な犬だった。

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目が飛び出た。

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レコードの事だった

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(キイィィィィッ！！)
「危なァァいッ！！！」

自らの手を離れた飼い犬のもとへ走る男。
だが彼が犬を抱き締めた時、
体勢が悪かったのか、それとも、走ってくるトラックを前に本能的に足がすくんだのか、
彼は犬を抱えて走ることが出来なかった。

しかし、反射なのか、或いは家族同然の飼い犬を救いたい一心で起こした行動なのか、
彼は犬を庇うかたちで前に出た。
恐らく、この時の彼に冷静な判断力があって、
“人一人が受けられる衝撃じゃない”
と頭で理解出来ていたとしても、きっと同じ選択をしただろう。

迫るバンパーを目にし、死を覚悟する男。
当たる・・・！！
思わず、目を伏せる。

・・・風が通り抜けた。
(オマエヲッ・・・テヤルッ・・・！)
「・・・！？」

ゆっくりと目を開ける男。
生きている。
歩道を見ると、飼い犬が不思議そうな目をしてこちらを見ている。
「・・・夢でも見てたのか・・・？」
トラックどころか、通行人すら見当たらない静かな道の真ん中で、
ゆっくりと立ち上がり、深呼吸。
(もっとも、この場合は“溜め息”の方が適切かもしれないが。)
そして、犬に歩みより、リードを手にした。


散歩を続けることにした。
彼は犬を連れて歩き出す。


繋ぎを着た色白の男の、冷たい視線に気付くことのないまま・・・。

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飼い主「オプティマーース！！！」

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