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料理対決 JMその15
難易度:★★★
永久駆動 2009/07/18 09:52 水時方玖里子を訪ねてきた女子高生は金子真琴と名乗った。
「呉連月さんは父の古い友人で、 私たまたまその日に呉さんのお店へ遊びに行ったんです。」 「そしてあなたは料理対決の数少ない観客の1人になったのね。 対決を見ていて特に気がついた事はなかった?」 「ごめんなさい。私はお料理の事とか詳しくないんです。」 「ではあなたの見た事を話してください。」 中華街一の名店、皇宮菜館。 その料理長を決める料理対決が行なわれる。 対決するのは2人の料理人。 料理人一族珍家の長男、珍鉄芯。 香港から来た料理界の鬼才、ヘンリー楊。 対決の主催者は皇宮菜館のオーナー呉連月。 審査するのは中華街の重鎮たち。 進行役は菜館給仕頭、林笈宣。 観客などはほとんどいない。 あらかじめ指定された料理のテーマは『排強抱偕』。 林笈宣が両者のリクエストした食材を運びこむ。 公平を期すためすべて菜館が用意した一般的な食材だ。 楊側の食材を見て鉄芯の顔色が変わる。 鉄芯は呉連月を見る。 しかし呉は黙って首をふる。 調理開始の合図の銅鑼が鳴る。 制限時間は2時間。 猛然と料理を作りはじめる両者。 やがて何皿もの料理が並んだところで時間切れ。 審査員たちに料理が運ばれる。 緊張の中、時間だけが静かに過ぎる。 林笈宣が各審査員の採点を集計する。 審査員長の王大人が立ち上がる。 「新しい料理長は珍鉄芯。」 呉連月と審査員たちが鉄芯を祝福する。 王大人が呆然とうなだれる楊の肩をやさしくたたく。 2人はそのまま退出し、王大人の車で帰っていった。 皇宮菜館の料理対決が終わってから1時間後、 菜館の従業員が死体を発見した。 死体は店の奥、従業員用ロッカーに押し込まれていて 死後4時間が経過していた。 「死んでいたのは・・・・。」 「あー言わなくてもわかるわ。」 玖里子は真琴の言葉をさえぎると読者のほうを向く。 「ふふふふふ。また登場できたわ。 もう出番はないのかと落ち込んでいたのよ。 じゃあここまで読んでくれたあなたに問題。 店の奥で死んでいたのは何者だかわかるかしら? ヒントはね 料理対決に絶対いるべき人がいなかったの。」
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