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このクイズの参加者(8人)
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巨大な密室の白骨死体
難易度:
そう 2006/04/04 04:15 「しかし…、まだ4月だって言うのにどうしてこう暑いかな…。」
汗を拭いながら、倉庫の中央に立ったひとりの男が独り言のようにつぶやいた。 すると傍らのもう一人が、 「温暖化現象ってやつですよ。それにこの倉庫、窓がありませんし、屋根が焼けるんですよ。エアコンいれましょうか?」 と答える。 「エアコンが動くのか?明かりもつかないのに。」 「明かりがつかないのは蛍光灯がすべてはずされているからです。電気は通じていますし、エアコンは食品保存用の零度近くまで下がる強力な奴が動きますよ。」 二人の刑事は白骨化した死体を目の前にしながら、そんなのんきなことを言い合っていた。 「死因は?」 「自殺だとすると転落死です。殺人だとすると撲殺でしょうか。しかも滅多打ちですね。頭蓋骨に大きなひびが入ってますし、手の指も数本折れています。 所持していた携帯電話や手にしていたと思われる懐中電灯も割れていました。」 「これ、死後どれくらいだ?」 「服が完全に夏服ですからね。死後、8ヶ月ってところじゃないでしょうか。被害者が行方不明になったのもちょうどそのころです。」 「そのあいだ、ずっとこのままだったのか?」 「倉庫の持ち主の会社の経営が悪化してしばらくは使われていなかったそうです。」 「どうしてこの男…、こんなところに入り込んだんだ…。」 中型のジェット機なら楽に格納できるほどの広さの倉庫の中を、二人はゆっくりと見回した。 空っぽと言ってもいい。何もない倉庫である。 めぼしいものは床に散らばっている大量のゴム製のシートと、入り口を塞いでいた二つのドラム缶だけ。ドラム缶の中には一杯に廃油が入っていた。 「自殺が目的なら何の問題もないですね。中に入って内側から鍵をかけて、あの鉄梯子を昇って上から飛ぶ。」 「確かに自殺ならな。だが遺書がない。それにこの扉の閉め方が変だろ。ノブを鎖と針金で縛り付けて、その上ゆうに7,80kgもあるだろうドラム缶を扉の前に引きずって塞いでる。 第一、この男には自殺する要因が見つからないんだろ?」 「では自殺に見せかけた他殺ですか?確かに彼は人から恨みを買っているようです。ざっと聞き込んだだけでも殺意を抱いてる人間が5人以上浮かんでいます。」 「ふむ…。だが、そうなるとここは完全な密室だ。入り口はここだけで窓もない。蟻も這い出せないようなこの巨大な密室から、犯人はどうやって外に出たんだ…?」 「蟻なら出れますよ。床の隅に排水用の穴が一つありますから。そこから…。」 「お前は出れるのか?」 「いえ、すいません…。やっぱり自殺じゃないでしょうか?コレはさすがに…。」 そのとき、ふいに二人の頭上から女の声が降ってきた。 『真田警部、いらっしゃいましたらこちらの事務所までおいでください。署から連絡が入っております…。』 倉庫の奥に取り付けられたスピーカーからである。 「あ〜、この倉庫、電波入らないんですね。圏外なってますよ、ほら。」 携帯を見ながらそう言った後輩の言葉に、真田は深くうなずいた。 「なるほど。やっぱり他殺なようだ。」 さて、殺害方法は。 解答は返信中にあるかも。答えがわかったり、誰かに解いて欲しいときは右上のから教えてね。
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