祖父がおかしな遺書を遺して天寿をまっとうした。
親族代表である孫は、本家に親族を集め、遺産の分配問題について親族会議を開いた。
が、肝心の遺産証明書か見当たらない。遺書の中にその所在を表すヒントが書かれていた。

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遺産証明書の所在が知りたければ、つぎの遺産目録を参考にして探してみることだ。
探し当てたものに遺産の全てを与えよう。
いつの夜更けにも秘密は順に明らかになるものだ。首を狩れればよいがの。

<財産目録>
１．なかなか手に入らぬ骨董品
２．野ざらしになっている田舎の土地の権利書
３．空になった千両箱
４．濫発した会社の債権
５．くじの懸賞品が多数

おのおの頑張るがよい。

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目録紹介が終わるや否や、
「遺産らしい遺産なんてありゃしないじゃないか！」
と激高しつつ帰ってしまうものもいた。
しかしその孫は遺書を見ながらしばらく考えた後、
「なるほど、単純な謎解きですね。」
といい、人のいい孫は残っていたものを引き連れて、ある場所へとやってきた。
するとそこには、祖父からの2通目の遺書があった。

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よくぞ辿り着いた。次の謎が解ければ目的のものを得られるぞ。
目的のものは鬼の通り道に用意してある。
蔵の中に鼠はおるし、縁の下には蛇が住み着いておる。
天井裏には牛と虎を飼っているからの。

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「もう付き合ってられん。」
と、呆れてほとんどの親族が帰ってしまった。
だが孫だけは、
「これも簡単ですよ。」
と嘯き、見事遺産証明書の在り処を探し当てた。
そこには時価数億もの遺産が隠されていた。

さて、祖父が残した2つの遺書は何を示していたのだろうか。