皆さんお久しぶりです。最近忙しくて顔をなかなか出せませんが、私のこと忘れないで下さいね。

というわけで、私から出題させていただきます。

片山警部は自宅でうなっていた。今抱えている事件があまりにも難しいからだ。
「大丈夫？」
声を掛けたのは警部の妻だった。
「いや、これがなかなかの難事件で…。」
そう言うと苦笑いを見せた。
「よかったら相談に乗るわよ。」
妻は警部の横に腰を下ろした。
「実は…」
警部の話をまとめるとこうだ。

管轄区内のある公園で、若い女性が全裸で殺害されていたのだ。第一発見者は40代の男性で、彼の話によると発見当初服は着ていたという。女性が酔っ払って寝ていると勘違いした彼が女性に近づき、揺り起こそうとして死んでいることに気付いたというのだ。気が動転した彼は、携帯電話を持っていることを忘れ、自宅まで警察を呼びに戻ってしまったという。この間少なくとも45分の空白の時間があり、その間に現場に戻ってきた犯人が、捜査の撹乱を狙って、被害者が身につけているものを全て剥ぎ取ったのだと推測される。犯人の狙いはまんまと的中し、捜査は難航、被害者女性の身元すら分からない状態である。

「ただ、第一発見者が揺り起こそうと女性に近づいた時、地面に暗号めいた文章が書かれていたんだそうだ。警察が到着した時には、ご丁寧に足で踏み消されていたけどね。」
「じゃあ、それが唯一の手掛かりなんだ。」
「ああ。それで、今その暗号を一生懸命解いていたんだが…。」
「どんな暗号なの？」
妻が興味深げに身を乗り出した。
「それが、『太れと01 ロト レトロ 1』っていうんだけど。」
「何それ？」
妻が怪訝な顔を見せる
「それが分かったら苦労してないって。」
警部は苦笑いで返す。
「ごめん、そうだったわね。」
「うーん、切り方が間違ってるのかな。」
「切り方って？」
「この暗号、本当はカタカナと算用数字で詰めて書いてあったんだそうだ。こんな風に。」
と言うと、警部は紙に

フトレト０１ロトレトロ１

と書いてみせた。それを見た妻は笑い始めた。
「これ、暗号でも何でもないわよ。」
「何だって！？」
警部は大いに驚いた。それもそのはず、この暗号は警部が3日掛かって解けなかったのだ。それを妻にあっさりと解かれてしまったのだ。
「私のミーハーなとこ、ちょっとは役に立ったでしょ？」
妻は勝ち誇ったように笑った。

果たして、暗号の意味とは。

＃ついでに第1ヒント（？）ですが、前回の手旗信号に続いて、解き方が分かっても解くのがかなり面倒な暗号です。我こそは誰よりも暇だという方の挑戦待ってます