◆---クイズBBSより抜粋---◆ ※敬称略。なお、この論議内では進んだ距離が1キロになっています ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ sub 2004/05/08(土)23:41 大雪が吹きすさぶ極寒の大地。 そこにある小屋。1人の男性が住んでいる。 その男性は、小屋から真南に1キロ、 そこから真西に1キロ、さらに、真北に1キロ進みました。 するとなぜか、スタート地点の小屋に戻ってきてしまいました。 そんなことが本当にありえるのでしょうか? ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ PDJ >(まじめな話)この問題にはいつも疑問を持っています。    真西の定義がおかしいのです。西に進むというのは緯線に沿って行くのではなく、    出発点において経線に直交する方向に進むということです。    期待される回答は『北極点』だと思いますが、実際には戻ってきません。    みなさんいかがお考えになりますか。 sub >PDJさん、ご解答ありがとうございます。正解は「ありえない」です。    ありえない理由を書こうと思ってたんですが、全て言われてしまったので省略w sub >別解で「小屋が1キロの長さだった」というのもありました。    もはや「小屋」とは呼べませんが・・ PDJ >蛇足ですが、そもそも北極点は海なので、大地はなく、小屋は建てられません。 なつめぐ>では、こんな問題はどうでしょう?      【ある人が南へ1Km行き、そこから東へ1Km行き、      さらにそこから北へ1Km行ったら最初の場所に戻ってきました。      地球上でそういう場所が北極点以外にあるでしょうか?】      ただし、東へ行くというのは緯線に添って行くという意味です。 PDJ >南極点から(1+1/2nπ)km、(nは自然数)の地点ならどこでも。 なつめぐ>PDJさん、正解です。\(^O^)/ ちなみに解説しますと、      南に1Km行った地点をAとしたとき、南極点の回りを緯線に添ってn周したら      1Kmになるような地点がAであれば、条件を満たします。 タイルコ>緯線に沿っていくことと、経線に直行する方向に進むことは違うんですか? PDJ >東あるいは西に進む時、経線に直交して進むというのは、出発点で方向が決まり、    あとは地球面に沿ってのみカーブするということです。つまり大円ルートです。    途中の個々の地点で経線に直交するように方向修正すれば、    緯線に沿っていくということになりますが、そうではありません。    たとえば、日本から真東に進めば、USAではなく、南米に着きます。    また、赤道上でないA点から真西に進み、B点に着いたとします。    B点から真東に進んでもA点には着きません。 タイルコ>ありがとうございます。なかなかイメージが沸きにくいものですね MayorR21>subさん&PDJさん!従来の真西の定義に疑念の提示…面白い考えですね♪      …その考えは数学的には正しいと思います。…しかしこの場合の      「東西南北」や、「まっすぐ進む」と言う言葉には、      地球という球面上における二次元的世界の約束事が含まれていて、      数学論的意味合いとは少し違うところに有りますね。      …もっと厳密に数学的に考えるなら、ある地点から真西の方角に進めば、      地球上からどんどん離れて宇宙に飛び出してしまう事になってしまいます。      …はっきり言ってナンセンスです。(^^;)!しかも物理学的に見ると      宇宙で直線を引く事は相対論的にも不可能とされているのですから、      ますます意味の無い話になってしまいます。北極南極と言った極端な      シチュエーションが産み出す「東西南北線は直角に交わる」と漫然と      信じていた一般常識が、あっさりと崩れてしまう意外性が、      上のナゾナゾの面白さだという点が大事なのではないですか?      …しかし、こういう究極的な議論…大好きです♪      そんな実際的な常識と机上での純粋な論理上の喰い違いが、      意外な結論や答えを生み出す→ナゾナゾの面白さの核心なのではないかな?      と思いますが、いかがですか? 煙詰め>はじめまして。(中略)とりあえず、私の考えを述べたいと思います。 煙詰め>まず、東や西に進むということですが、PDJさんのいう     「出発点において経線に直交する方向に進む」というのは1つの考え方であって     それに限らず、「途中の個々の地点で経線に直交するように     方向修正しながら進む」ことも東や西へ進むことに当たると私は考えています。     つまり、ある地点における東西の方向は経線に直交する方角であると     定義されるとしても、「東へ進む」ことや「西へ進む」ことは、     「出発点における東の方向や西の方向」に拘束される必要はないのでは     ないでしょうか。私が不知なだけで、学問的に確立された定義があるとすれば     話は別ですが、普通の人が実際に東に長い距離を進む場合、     方向を確認するのは出発点でのみではなく、     道中でしばしば自分が進んでいる方角を確認するに違いありません。     さらに、方位磁針を常に見つめながら自分の進む向きが常に真東になるように     進めば、緯線に沿って進むことになりますが、     これらも「東へ進んだ」と評価して構わないと思います。 煙詰め>subさんの問題文では特に「まっすぐ進む」などの限定は付されていないの     ですから、常に自身が西の方角に進むように方向修正しながら進んだとしても、     「真西へ進む」ことに該当すると思います。したがってsubさんの問題では     北極点(及び別解)は解答になりうると思います。     (北極点に小屋が建てられるかどうかはここでは考えないことにします。) 煙詰め>本当は私も東京から「東へ進む」とアルゼンチンに行き着く派なのです。     しかし、ちょっと前に回りの人に「東京から東へ進んでいったら     どこの国を通るか?」という質問をしたら、多くの人はアメリカ合衆国と答え、     南米の国を挙げたのは少数派でした。ちなみに南米の国を挙げた人は、     正距方位図法をよく覚えていた人でした。 煙詰め>要するに、常に方位磁針を見ながら、それが示す東の方向へ進んでいけば     緯線に沿って進むことになりますし、それを意識しているかどうかはさておき、     東へ進むことは緯線に沿って進むことだと考えている人も多く、     しかもそれが必ずしも間違いとは言い切れない(と私は思う)ので、     厳密な議論による結論は別かもしれませんが、     subさんのクイズの答えとしては北極点(と別解)で十分だと思います。 煙詰め>蛇足ですが、「ある地点から南へXキロ、東へXキロ、北へXキロ進むと、     また「ある地点」へと戻ってきてしまった。そんな事はあるだろうか?     また、あるとすればそれはどこだろうか?」という問題にして、     解答例として、北極点、Xキロは北極点から赤道までの距離とすれば、     東京から「東へ進む」とアルゼンチンに行き着く派の方も     それなりに納得する解答になるのではないでしょうか。     掲示板にそぐわぬ長文失礼いたしました ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 不肖ながらまとめさせて頂きますと、結局のところ、 どちらが良い悪いというのではなく、どちらの答えも必要なんだと思います。 みなさんのおっしゃるように、これは意味合い・見方の違いと いうのが顕著に表れたクイズだと言えるでしょう。 私たちの常識やイメージをもとにして、ただ純粋に クイズを楽しむという観点においては『北極点』で充分でしょうが、 専門家や物理などを嗜まれる方にとってはそうはいきません。 北極点などと言ったら逆に笑われてしまうでしょう。 けれども自分を含め多くの人は、『東西へ進む=経線に沿って進む』という イメージをお持ちのはずです。そこへ『ありえない』と力説したとしても、 おそらく小中学生はそのイメージを払拭しきれないに違いありません。 しかし、そうして食い違うことが、大切なのではないかと自分は思います。 なぜならクイズの一番の醍醐味というのは、もちろん考える楽しさもそうですが、 クイズを通して自分の知らない知的世界へ足を踏み入れることにあると 自分は思うからです。新しいことを知る喜びは、問題が解けたときの喜びに 勝るとも劣らないものがあります。そして、自分に固定されてしまったイメージを 覆してくれるような疑問や意見こそが、そのきっかけに成り得るはずです。 そんな知的好奇心をいつまでも持ち続けてほしいと願い、 当サイトでも様々な観点からの別解を取り上げさせて頂いたりしています。 お互いがお互い、考える視点や角度を変えてくれる材料を提供し合う、 クイズがそんな媒体となればいいですよね。 興味深く、素晴らしい議論を交わして下さった皆様に多謝!