pc ( No.37 ) |
- 日時: 2009/03/29 17:41
- 名前: 京
- オペラグラスで両手を振っている女性を発見した俺は大急ぎでそのマンションの屋上へと向かう。
屋上に続く手前に防火設備のドアが設置されていた。 そのドアはこちら側から鍵がかかっていたので俺は鍵を開け屋上へのドアを開けた。
「まじ〜!?よかったあ〜助かったあ!!」
すると目の前にさっき下から見つけた女性の姿が・・年的には高校生くらいだろうか? 左足側の靴下を履いていないところを見ても、さっきのソックスのメッセージは彼女に間違いないなさそうだ。 俺は彼女に靴下を返す。 彼女はサンキュ♪といいながら靴下を受け取りいきさつを話はじめる。
「学校サボってここに隠れてたわけなんだけど、つい昼寝しちゃって〜 気づいた時は誰かにそのドアの鍵を閉められちゃってて、かなり困ってたわけなの〜」
「それでこの靴下のメッセージを下に投げたのか・・・ 十は【足す】と読み、靴下は【くつ】の下で【けて】 繋げると【たすけて】となるからな。」
俺は推理した答えを口にする。すると・・・ 「はあ〜・・?なにそれ?ワケわかんないんですけど〜? 確かにソックス使って助けは求めたけど、普通そんな回りくどいことしないっしょ?テレビじゃあるまいしさ〜あはははは〜 まあ、とにかく気づいたらカバン持ってないじゃん? だから携帯もペンも紙も無くてさあ・・・ ・・んで、考え付いたのがソックス。 これでなんとかなるかな〜って思った訳。 朝に飲んだ缶コーヒーがちょっとだけ残ってたからこれだ!と思ってさ。 コーヒーの染みで【たすけて】って作ろうとしたんだけど、なかなか染みこまなくって途中でコーヒー無くなっちゃって〜・・ 結局【た】の字の書きさしでおわっちゃったの。 だから、とりあえず投げてみたら誰か気づいてくれるかな〜?って感じで投げたらあなたが気づいてくれた訳! お!?ラッキーみたいな感じだったわ。ありがとね〜」
・・長い説明だった。
「・・いえ。どういたしまして。 う〜ん・・たすけての【た】の書きさしとは予想外だった。 暗号的に考えた【たすけて】のワードが偶然だったとは・・・。」
「とにかくありがと。じゃ〜ね〜カッコいいお兄さん♪」
女子高生はにっこり笑って立ち去っていく。
「今度からは深読みはしないで素直に考える事にしよう・・・。」
そう心に決めた俺だった。
・・・完
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